
営業マンであれば商品の特徴を誇張したり、大げさにプレゼンすることは日常茶飯事だと思います。
そのような誇張が、相手によっては「嘘」と認識されてしまうこともあります。
しかし、営業マンであれば嘘も方便なケースが必ずあります。
ここでは嘘も方便なケースと嘘つきセールスマンの見分け方について確認していきましょう。
営業マンは嘘つきばかり?
営業マンは、商品をいかに魅力的に伝え、顧客に買ってもらうかを仕事にしています。
なので、営業マンの中には、無駄に誇張したり、それを通り越して嘘をついてでも商品を買わせようとする人が少なからずいるのです。
商品を良く見せる為にある程度誇張することはセールスに効果的ですが、あまりに異なる情報を提供するのは良くないと思います。
また、営業マンは出来る限り受注率を上げたいので、自分にとってデメリットのある情報、つまり相手とって有利な情報を提供しようとはしません。
例えば、比較対象となる競合サービスについてや、業界相場、競合と比較して劣っている点などです。
競合他社の製品サービスをあえて悪く言ったり、「初回だけ」という条件を言わずに、単に安さだけを主張する営業マンは、もしかしたら嘘つきかもしれません。
嘘をついて商品を買わせることは法律に触れる恐れがあるので、十分注意が必要です。
もし法令違反となれば、最悪の場合は行政処分されるケースもあります。
そもそも営業マンを信じていない人は多く、セールスされるのが嫌いな人は、たとえ自分にメリットがあっても話を聞かずに断ってしまいます。
嘘をつかない営業パーソンもいるのですが、イメージとして定着しているのは、やはり「営業マンは都合の良い嘘ばかりつくので危険だ」というイメージでしょう。
一流の営業マンは、嘘をつかずとも商品の魅力を最大限に引き出し、お客様の信用を失うことなく商品を売っていきます。
しかし、世の中の営業マンの多くが、大なり小なり嘘ついているのもまた事実なのです。
嘘をつかない営業マンの見分け方
営業マンの中には、嘘をつけない人、またはセールスに自信があるため嘘をつきたくない、もしくは嘘をつかずとも売れる人もいます。
このような人であれば良いのですが、ほとんどの営業パーソンは多少の嘘をつくものです。
それでは、嘘をつかない営業マンを見分けることなどできるのでしょうか?
一般的には、嘘をついて実績を出している営業マンは、顧客に自分の情報を与えたがりません。
何かあった場合、すぐ逃げられるようにするためです。
なので以下のような質問をしてみましょう。
- ご出身はどちらですか?
- ご兄弟はいますか?
- どこに住まれてるんですか?
- 前職は何ですか?
- 実名制のSNS(facebook)はやっていますか?
プライベートに関係する質問に対して、やましいことがある人はすぐに話題を変えようとします。
このような突っ込んだ質問に対して、さらに突っ込んでいけば、いずれボロが出るはずです。
逆に嘘をつかない一流の営業マンは、自分に自信があるため躊躇なくプライベート情報を教えてくれます。
自分のことを知ってもらうことは、営業活動でもプラスに働くことが理解できているためです。
以上のことから理解できると思いますが、まずは疑問に思ったことを全て質問することが大切です。
それでもなかなか見破れないという場合には、強硬手段を取っても良いでしょう。
例えば、商談する前に録音する許可を取った上で、提案内容をボイスレコーダーに記録すれば、相手は嘘がつけません。
ボイスレコーダーはスマートフォンにも入っている機能なので、誰でも手軽に使えると思います。
ネットショッピングでも安価に売っているので、相手にプレッシャーを与えるという意味では、それを買っても良いでしょう。

もし録音することを拒んだり、歯切れが悪くなるような営業マンは、きっと何かしら後ろめたいことがあるのでしょう。
これが最も効果的な「嘘つかない営業マンの見分け方」だと思います。
注意が必要な嘘つき営業
セールスパーソンに限りませんが、世の中には嘘つきな人が一定数います。
ただ、そのような人には特徴があります。
まず、言っている最中にも新たな嘘を思いつくので、最初と最後で主張が食い違うことです。
自分の中に幹となる考え方がないので、主張がブレるのです。
その場しのぎの嘘に、さらに嘘を塗り重ねると、言っている本人ですら何のことかわからなくなるのです。
そして、ネットワークビジネスなどにありがちですが、商品の仕入れ先についてや、会社代表者の経歴、会社の沿革、本社所在地、会社の取引先など、普通であれば答えられる質問に回答できないケースは危険だと思います。
ビジネスモデルを理解できていない人がセールスしている状態なので、これでは何かトラブルが起こった時に対処することができません。
なので、購入する側として聞くべき項目は遠慮なく質問するようにしましょう。
嘘はトラブルの原因になる
誰でも理解できると思いますが、営業現場で嘘をついてまで商品を売ることは、絶対に良いことではありません。
セールスパーソンは、お客様に対して誠実であるべきなのです。
もちろん、嘘をつくことはトラブルの原因にもなり得ます。
例えば、訪問販売ではお客様が契約した後でもクーリングオフすることができます。
クーリング・オフは、いったん契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、契約を再考できるようにし、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度です。
http://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html
もし、クーリングオフできることを伝えない場合は法令違反になるので注意が必要です。
とはいえ最も理想的なのは、自身の営業スキルを高めて、嘘をつかずにセールスすることです。
たとえ失注したとしても嘘ついて揉めるよりはマシだと考えましょう。
そして、嘘をついて仕事をすることは自分自身の生き方に関わってきます。
仕事は人生のほとんどを占める大事な要素です。
その仕事に対して信念がブレているようでは、決して良い生き方ができないでしょう。
徐々に仕事が苦痛になり、自己嫌悪に陥り、結果的に退職せざるを得ないかもしれません。
うつ状態になることも考えられます。
とはいえ、全く嘘をつかない営業活動も難しいのが事実です。
つまり、お客様をワクワクさせたり、興味を持ってもらうためには、多少なりとも大げさに表現したり、演出することも必要なのです。
ですが、やはり顧客を欺くような悪い嘘をつくのはオススメしません。
それは結局、自分自身の首を絞めることになるからです。
営業では嘘も方便
ここまで、営業パーソンは”嘘をつかない方が良い”ことをお伝えしてきました。
しかし、営業職とはその仕事の性質上、時には嘘をついてでもお客様の背中を押してあげる必要があります。
例えば、この商品を購入するとお客様の課題が解決できるという確信がある場合でも、「買うか?買わないか?」を決めるのは顧客自身です。
しかし営業の本質とは、相手の悩みや課題を解決する手助けをすることなのです。
この観点から言えば、先程のケースでは何としても顧客に商品を買わせるべきでしょう。
そんな時に便利な言葉が「嘘も方便」ということわざです。
これは「時には嘘も必要だよ」という意味の言葉で、営業現場で自分自身を正当化することができる言葉になります。
例えば、購入を迷っているお客様に
- 皆さん購入してますよ
- こんなに安いのは今だけですよ
- 購入した後でも、簡単に解約できますよ
などと多少の嘘をいう事は、迷っている顧客の背中を押してあげる言葉になります。
このようなアシストが営業現場では必要になります。
そのような意味では、「嘘も方便」が成り立つのが営業職という仕事でしょう。