
営業会議はどの会社でも定期的に開催されていると思います。
しかし「ミーティングは無駄」とか「会議なんて効率が悪い」と言われることが多く、有意義に活用できているケースは少ないと思います。
そこで今回は、無駄な戦略会議を売上に繋げるコツをご紹介していきたいと思います。
目次
営業会議は不要?
企業の中に営業会議は不要と考え、最近では営業会議をしない会社が増えています。
このようになってしまう理由は、以下のような原因があると思います。
- 会議の目的が不明確
- だらだらと長話が多い
- 参加するメリットが乏しい
- 座っているだけの時間が長い
- 会議した結果、何も決まらない
こうなってしまうと「営業会議なんて必要ないのでは?」と感じるのも不思議ではありませんよね。
しかし営業会議は決して意味のないものではありません。
営業会議のやり方を少し変えるだけで、意味のある内容の濃い議論を進めることができるのです。
”詰める”だけの営業会議は無駄
代表的な営業会議といえば、現在の進捗状況や達成率を確認して「できない営業マンをしばく」という公開処刑の場です。
これは会議というよりも、文字通り公開処刑の要素が強いので、全く会議の意味をなしていません。
ただ詰められるだけの営業会議に参加したい営業マンはいませんし、できない営業パーソンを詰めるだけではなんの問題も解決しません。
そうではなくて、「なぜ数字が達成できないのか?」「どういう営業活動しているのか?」という根本的な部分をヒアリングすることが重要なのです。
この部分が解決できないと、いつまでたっても無駄な営業会議を続けることになります。
つまり、営業部を束ねるマネージャーや営業部長には「営業部が一丸となって、できるやり方を考える」という考え方が必要なのです。
「予算が足りないから自分で何とかしろ!」とか「自分のケツは自分で拭け!」という体育会系の考え方はもう古いのです。
そのようなやり方をやり続けている限り、あなたの会社に未来はないでしょう。
理想的な営業会議を開催しよう!
もし営業会議が不要だと考え、会議をするのをやめようと考えているのであれば、その前に一度会議のルールを変えてみてください。
具体的にやるべき事とは、会議の定義を決めることです。
まず会議を以下の2種類に定義します。
- 意思決定を行うのは決定会
- 決定事項や進捗共有などは連絡会や報告会
このように定義するだけで、今日の会議でやるべきこと、参加する姿勢などが明確になります。
ここで気付いた人は多いと思いますが、2番目の連絡会や報告会は単なる共有会なので、そもそも会議を開かなければいけないレベルではないことが分かります。
2番目の連絡や報告は、メールを使って資料を送付するだけで済むと思います。
とすると、本来やるべき会議とは1番目の決定会だけになります。
それでは、決定会では何をするのかというと、PDCAを回すことが目的になります。
最初の決定会で決められた内容を精査し、次の行動を決めていくのです。
例えば、「1ヶ月間テレアポを強化しよう!」という営業戦略が決まった場合、1ヶ月後に営業スタッフ全員のテレアポデータを持ち寄り、そのデータをもとにして「どう業務改善していくのか?」を決めていきます。
このように目的意識のある会議にすることによって、時間の無駄を省きながら、パフォーマンスを最大化することができるはずです。
なのでまずやるべきことは、「会議」という名称を「決定会」に変更することなのです。
これをやるだけでも参加者の目的意識がガラッと変わるはずです。
つまり「ただ参加すれば良いのか…」という考えから「何かを決めるために議論しなければいけない」という意識に変化するのです。

営業会議の議題
何かしらを意思決定する営業会議には、絶対に議題が必要になります。
その議題には以下のようなものが考えられると思います。
- 先月強化した営業施策の継続可否について
- 新規見込みの集客アップについて
- 新製品の営業フローについて
- 目標達成するための新規施策について
- 新規採用する営業職の人数について
営業会議の課題にすべきものは、大きな課題を掲げるよりも、出来る限り小さな課題に絞る方が良いと思います。
あまり大きな課題を議論しても着地が見えなくなってしまうので、営業会議では小さな課題を一つ一つこなしていくことが大切なのです。
営業会議では積極的に質問する
理想的な営業会議とは、出席者全員が活発に発言をする会議だと思います。
出席者が多い会議だと、どうしても発言しない出席者が出てしまいがちです。
しかし限られた人だけが話してばかりいると、活発な議論ができないので、最低でも1回は発言するように義務付けましょう。
それでも、もし発言しないような人がいた場合、その人には次回以降の会議には出なくて良いことを伝えましょう。
これは決してマイナスの話ではなくて、お互いの業務効率を最大化させるために必要な処置だと思います。
会議で発言をしないということは、その議題に対して意思決定ができない、もしくは興味関心がないということを意味しています。
そのような人が意思決定をする”決定会”に参加しても全く意味がありません。
それであれば、あえて会議に出席せずに、自分の業務に邁進してもらった方が会社にとってもメリットがあるはずです
この時のポイントとしては、会議に出ることがプラスで、会議に出ないことはマイナスという評価軸を絶対に持たないことです。
会議の目的は人事評価をすることではなく、意思決定をすることになります。
なので、意思決定をするための最適な人員を招集するということが目的になっているはずです。
この辺りを誤解している経営者をたまに見かけますが、あくまでも会議を開く目的を見失わないようにしましょう。
戦略会議の進め方
「営業会議をしたけど、話がまとまらなくて無駄な時間だけが過ぎてしまった…」という苦い経験をしたことがある人は多いと思います。
まとまらない会議になってしまう原因とは、議長の進め方に問題があるからです。
良い会議を行うためには、議長が中心になって議題をディスカッションすることがポイントになります。
正しい戦略会議の進め方は、以下のような流れになります。
- 今回の会議の議題を事前に共有する
- その議題に対して発言ができる人は参加する(発言しない人は辞退する)
- 会議の議題に対して自分の意見をまとめておく
- まとめた自分の意見を議長に事前提出する
- 議長は参加者から集めた意見をまとめておく
- 会議では議長がまとめた各人の意見を一旦共有する
- その上で何について意思決定したいのかを明確に提示する
- 参加した会議では積極的に発言する
- 必ずその会議の中で決定事項を決める
- 次回ミーティングの議題を決めておく
効率の良い営業会議
会議を効率よく運営するためには、まず時間を区切ることが大切です。
おすすめなのは、1つの会議につき30分という制限時間を設けることです。
この限られた30分という時間の中で意思決定するためには、事前に参加者の意見を取りまとめておく必要があります。
そして取りまとめた内容を参加者に事前共有し、会議に参加する前から自分の意見を固めておいてもらうのです。
このように業務効率化することで、無駄な会議の時間がなくなり、ダラダラと話すこともなくなります。
本題にすべき議題は、生産性が高まるような「受注対策」や「拡販対策」などにすることが大切です。
ほとんどの会社では、1回の営業会議を1時間~終日かけて行うケースが多いと思いますが、もっとタイトに効率よく運営することはできるのです。
とはいえ、いきなり30分に短縮することは大きなストレスになるので、まずは1時間以内に収めることを目標にしましょう。
念入りに周到な準備をすれば、きっと効率的な会議が実現できるはずです。
営業会議は議事録をとる
会議では「出席者が何を議論して決定事項は何だったのか?」を記録して共有することが重要です。
なので、議事録を取ることが大切です。
議事録の書き方のポイントは、あとから誰が読んでもきちんとわかるように簡潔に書くことです。
最近では音声入力で自動的に文字起こしするケースもありますが、まだまだ精度が十分ではないので、やはり書記が必要になると思います。
しかし、誰もが書記のスキルを持っているわけではありません。
なので、書記を担う人には、そのやり方を共有しておく必要があります。
まず大切なポイントは、会議中に少しでも文字を書く項目を減らすようにすることです。
授業中にノートばかり書いていると講義内容が頭に入ってこないのと一緒で、会議でも文字を書いていると議論についていくことができません。
なので、日付や打ち合わせ場所、参加者など事前に分かっていることは、出来る限り記入しておきましょう。
そのために必要になってくるものが、先ほどもお伝えした「参加者から集めた意見書」なのです。
これを落とし込むフォーマットさえ用意しておけば、誰が書記になってもクオリティが担保された議事録が出来上がります。
議事録の書き方
これはあくまでも一般論ですが、議事内容は6W3Hで書くようにしましょう。
- Who:誰が
- Whom:誰に
- When:いつ
- Where:どこで
- What:何を
- Why:なぜ
- How:どのように
- How many:どのくらいの数で
- How much:いくらか
6W3Hで書かれた文章は後で読み返した時にとてもわかりやすく、必要な情報を網羅することも簡単です。
もし会議中に聞き取れない箇所があった場合、会議が終わってからすぐに確認をすることが大切です。
この時には、聞き逃したからといって憶測で書かないように注意しましょう。
聞き逃しを防止するためにボイスレコーダーを活用することもおすすめです。
ICレコーダーは2千円程度で売っていますが、この機能はスマートフォンにも標準搭載されているはずなので、ぜひ活用してみてください。
色々な工夫をして無駄な営業会議にならないようにしましょう。

営業会議の時間
営業会議に費やす時間はとても長いと言われています。
昔ながらのレガシー産業や、予算のある大企業ではあまり時間を意識せずに会議している会社も多いことでしょう。
長い会議は意味がないと言われているので、先程お伝えしたように会議時間の目安は30分以内に収めることが理想的だと思います。
もし営業会議に30分以上を費やしているのであれば、その時間を短縮することから始めていきましょう。
大多数が参加する営業会議でも1時間以内に終わらせることを目標にして、時間を守る努力をするようにしましょう。
例えば、会議室に「会議は30分以内」と張り紙をするだけでも意識の変化が生まれます。
管理職は勤務時間の15%を会議に費やしていると言われていますが、会議に参加している時間は仕事がストップするはずなので、効率よく仕事するためには会議の効率化を図る必要があります。
とにかく営業会議を開くのであれば、売上に直結する内容で、会議の時間は短ければ短いほど理想的だと思います。
色々と工夫しながら業務改善していきましょう。
