本業に対して不満や疑問を感じていたとしても、いざ「退職する!」という決断を下すのはなかなか難しいことだと思います。
今回はそのような悩みを持っている人に向けて、”パラレルキャリア”という働き方をご紹介したいと思っています。
いったい、パラレルキャリアとはどのような働き方なのでしょうか?
気になるパラレルキャリアの意味や、その働き方で得られるメリット、本業に与える影響などについて触れていきたいと思います。
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目次
パラレルキャリアの定義とは?
近年、パラレルキャリアという言葉が浸透してきています。
ただ、「なんとなく想像がつくけど、詳しくは説明できない…」という人がほとんどなのではないでしょうか?
パラレル (parallel)を辞書で調べてみると、
- 平行
- 並行
- 並列
という意味が含まれた言葉であることがわかります。
つまり、複数の仕事を並行して行うことを意味しているのです。
しかも、定義としては勤めている1社に収まらず、複数の職場で働くことが含まれています。
ただし、それは必ずしも収入が発生する訳ではなく、社会貢献活動やボランティアなども含まれます。
どちらかというと、収入を得ることがメインではなく、自分のスキルアップや夢の実現を目指してキャリアを築いていくという人の方が多いかも知れません。
このパラレルキャリアを通じて形成した人脈や、そこで得たノウハウを本業に活かすことができるというメリットもあります。
「複業」とも呼ばれる
たまにパラレルキャリアのことを「複業」と表現することもあります。
収入を目的にする「副業」を引用した表現で「複業」と呼ばれているのです。
まさに”パラレル”の部分が”複数”と合致するので、このような表現になっていますが、意味合いはパラレルキャリアと同じになります。
単に言い方が異なっている程度の認識で大丈夫だと思います。
パラレルキャリアの起源
パラレルキャリアを初めに提唱したのは、オーストリア出身の経営学者であるピーター・ドラッカーです。
ドラッカーは、経営コンサルタントの第一人者としても知られていますよね。
ドラッカーが記した「マネジメント」は経営の名著と言われていて、ビジネスマン必見の書籍です。
もしまだ見てないというビジネスパーソンは、絶対に見ることをお勧めします。
彼は生前、多くの著書や名言を残しており、日本国内でも大手企業のCEO(ユニクロの柳井さんなど)や若手実業家に大きな影響を与えています。
彼がパラレルキャリアを提唱し始めた背景には、人類の寿命が企業の寿命を上回ったということがあります。
今までは1つの組織に頼ってきた人類ですが、人類の寿命が延びたために1つの組織に頼るのではなく、「第二の人生」を追求する必要があるとドラッカーは主張したのです。
その結果、パラレルキャリアという考え方が生まれたのです。
パラレルキャリアのメリット
ここでは、パラレルキャリアを通して得られるメリットについて解説していきたいと思います。
大きく3つありますので、ぜひ確認してみてください。
①収入を増やせる
まず1つ目は、収入を増やせるということです。
パラレルキャリアは必ずしも収入を得ることを目的にしませんが、もちろん働くことで収入を得ることもできます。
最初は報酬を目的とせずに無報酬でやっていた活動でも、「続けているうちに思わぬ形で報酬を得られるようになった」というケースもあります。
自分のやりたいことに挑戦して、収入が増えるのは嬉しいメリットですよね。
➁夢の実現やスキルアップができる
2つ目は、自分の夢の実現やスキルアップができるということです。
例えばプロ野球選手、漫画家、ミュージシャン、漫才師、プロゲーマー、冒険家、ケーキ職人など、自分の夢を追いかけ続けることは、なかなか勇気がいることだと思います。
ですが、パラレルキャリアなら自分の挑戦したいことを第二のキャリアとして選択することができます。
自分のやりたいことに挑戦することで、その分野でのスキルアップや、本業とは違ったやりがいも期待できるのです。
今まで経験が無いから見送った仕事や、子育てを優先して諦めた夢などに挑戦するのもオススメです。
本業とは全く違ったキャリアに挑戦してみることで、得られることは多いはずです。
➂新たな人間関係の構築
3つ目は、新たな人間関係の構築です。
本業だけでは会社内の人とばかり話すので、人間関係が広がりにくいですよね。
でもパラレルキャリアを通じて、全く違ったフィールドの人と関わることで人脈を増やすことができます。
パラレルキャリアで新たなフィールドの知識やスキルを得れば、職場での話題作りに繋がったり、コミュニケーションの材料になることも期待できます。
新しい人脈を築くことができ、本業での人間関係やコミュニケーションもさらに円滑になって、仕事にも良い影響を与えてくれることでしょう。
人間関係が良好になることでビジネスだけではなく、人生もより豊かにしてくれるはずです。
新たな人間関係が生まれることで、自分自身も刺激を受けるのに加えて、その人間関係が本業で活かされる可能性もあります。
”副業”とはどう違うか
パラレルキャリアと副業は一見同じように思えてしまいますが、実は大きな違いがあります。
ここではその違いを明確に解説していきたいと思います。
副業の定義とは?
副業とは、本業とは別に収入を得ている仕事のこといいます。
つまり、”収入に繋がる”ということが条件とされています。
収入を得ることを目的にした副業では、収入を増やすことを優先するあまりオーバーワークになってしまう可能性もあります。
その結果、疲労感から本業に悪影響を及ぼしてしまうこともあるので、副業をする際は体調を崩してしまわないように注意が必要です。
それに対して、パラレルキャリアでは必ずしも収入に直結することに限定されていません。
なので、趣味の延長線上や自分のやってみたかったことに挑戦でき、気軽に続けることができるのです。
収入を得ることを目的としていないという点が副業との大きな違いなので、オーバーワークで本業に悪影響を与えるといったことも少ないでしょう。
もちろん収入を目的にしてなかったとしても、パラレルキャリアを通じて収入を得ることは全然OKです。
つまり、要約すると以下のような定義になってきます。
- 副業:収入アップの為に仕事する
- 複業:自己実現の為に仕事する
まずはこのように理解しましょう。
週末だけの複業活動
パラレルキャリアでは、「自分がやってみたいことを週末だけやってみる!」という働き方もできます。
自分のやりたかったことを断念した人の中には、「収入面で不安があった…」という人も少なくないはずです。
そんな人こそ、自分のやりたかったことをパラレルキャリアにすべきなのです!
本業とは全く違ったフィールドに挑戦して、いつもとは違った自分になることで、普段のストレスから解放されることも期待されます。
例えば、ダンスのインストラクターやミュージシャン、DJ、華道や茶道の講師、カメラマンにイベンター、俳優やモデルなどもパラレルキャリアに該当します。
どれも本業として収入を得るのはなかなか難しい職業なので、本業にするには気が引けてしまいますが、パラレルキャリアとして活動するのであれば趣味の延長線上として気軽に挑戦できるでしょう。
本業に期待できるメリット
パラレルキャリアをすることで、本業にも大きなメリットがあります。
それは、自分に自信が付くことです。
人間という生き物は、どうしても隣の芝生が青く見えるものです。
自分のキャリアに疑問を持っていた人でも、他の仕事を経験することで、本職を冷静に見つめ直すことができます。
本業だけなら1つの視点しか見えていなかったものが、パラレルキャリアを通じて視野が広がるのです。
今までとは違った考え方が身につき、改めて本業の良さに気付いたり、モチベーションアップに繋がる場合もあります。
パラレルキャリアでは視野が広がるだけでなく、新たなスキルも身につくので、本業のスキルと掛け合わせて仕事に活かせることでしょう。
パラレルキャリアで夢を叶える
パラレルキャリアを通じて、自分のやりたいことを叶えるということは、本業を辞める必要がないことを意味しています。
仕事を変えるという決断は、人生を左右するほど大きな出来事だと思います。
もちろん転職にはリスクが付き物なので、なかなか判断に迷うところです。
- 本業を退職するのはリスクが大きすぎる…
- やりたいことを本業にするのも気が引けてしまう…
- 収入が心配…
上記のような人には複業できることが大きなメリットになるはずです。
現実逃避とは異なる居場所
パラレルキャリアでやりたいことをしていると、「アイツは現実逃避している…」などと周囲に言われてしまうケースがあります。
しかし、パラレルキャリアは決して現実逃避ではありません。
なぜかと言うと、パラレルキャリアは自分のスキルアップや夢を実現するための活動だからです。
つまり、現実逃避のような後ろ向きな考え方ではなく、とても前向きな活動なのです。
パラレルキャリアが本業に与えるメリットは多いので、決して周囲の噂話に流されないようにしましょう。
また、パラレルキャリアは副業とは違い、収入にこだわらずにキャリアを築いていくことで、本業と並行しながら時間をかけて退職後の準備ができます。
その中には、YouTuberなどパラレルキャリアで大きな成功を収めてしまう人すらいるのです。
始めるにはどうしたらいいか?
ここまでの解説で、パラレルキャリアは気軽に始められることが理解できたと思います。
とはいっても、実際に始めるにはどうしたらいいのでしょうか?
「まずは自分が何をしたいのか?」、つまり、やってみたいことをよく考えてみましょう。
頭で考えるだけでなく、考えたことを紙に書きだしてみると自分の考えが整理できると思います。
それで初めて気付くことも多いでしょう。
また、書き出す際はやりたいことだけでなく、やりたくないことも書き出してみましょう。
このようにすることで、頭の中がより整理できるはずです。
なりたい自分をイメージする
やりたいことがなかなか思い浮かばない場合は、「どのような自分になりたいか?」という将来像を考えてみましょう。
なりたい自分を想像することによって、自然とやりたいことにたどり着くことができるケースは意外と多いです。
また、この際に得意なことや既に習得しているスキルも加味して考えると、より具体的なイメージが湧きやすくなります。
自分がやりたいことは一体なんなのか…?
誰もが常に抱いている課題感ですが、自分自身をしっかりと見つめ直すことで、その答えが見えてくるはずです。
実際に行動してみる!
やりたいことが具体的に決まったら、活動の場を探したり、実際に名刺を作って配ってみることから始めていきましょう。
インターネットで気軽に登録できるサイトを見つけて、まずは無料登録してみるのも良いでしょう。
ボランティアや社会貢献活動などの場合は、ボランティアサイトやNPOなどを通じて活動できます。
パラレルキャリアで挑戦してみたいことは、十人十色なはずです。
やりたいことが決まったら第二のキャリア形成に向けて、少しずつでもいいのでとにかく行動してみることが大切です。
「やりたいことは決まったけど、実際にどう行動したらいいか分からない…」という人は、既にパラレルキャリアを実践している人に話を聞いてみるのが良いでしょう。
ただ、会社によって副業やパラレルキャリアに関する規定は様々なので、就業規則をよく確認した上で実践してみましょう。
大きく成功できる可能性もある
本業とは別に、第二のキャリアを築くため活動するパラレルキャリアという働き方、いかがでしたでしょうか?
自分のやってみたいことに気軽に挑戦できたり、本業とは違った活動をすることで、本業に良い影響を与えるメリットもありました。
自分のスキルアップや、夢を実現するための活動であるパラレルキャリアですが、週末限定でやっていたバンドが売れてしまったり、思わぬ収益を上げるようになったなど、気軽に始めて大きく成功できることも十分あり得ます。
パラレルキャリアという働き方を取り入れ、人生をより豊かにしていきましょう。