
副業や脱サラする場合、選択肢の一つとしてフランチャイズに加盟して独立開業するのは有力だと思います。
しかし高額な加盟金やロイヤリティーが発生するので、「フランチャイズはやめたほうがいい」という意見もあります。
果たしてフランチャイズに加盟するのは正しい選択なのでしょうか?
そこで今回は、FC本部と加盟希望者のマッチングを10年以上支援してきたプロフェッショナル”営業シーク さの編集長”が、フランチャイズ加盟するメリット&デメリット、選び方などについて解説していきたいと思います。
おすすめの業種・業態もご紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
目次
フランチャイズ(FC)とは?
フランチャイズとは、「フランチャイジー」と呼ばれる加盟店(=加盟者)が、「フランチャイザー」と呼ばれる運営本部と契約するビジネス形態を指します。
フランチャイザーと契約することで、商標使用の許諾が得られるので、イチから自分で考えるよりも独立開業が容易になることが特徴的です。
その代わり、フランチャイジーは商標使用料など、一定のロイヤリティをフランチャイザーに支払うことになります。
この料金はフランチャイザーによって異なりますが、「売上の●%」「毎月一律●万円」など様々です。
そのようなロイヤリティが支払われるので、ほとんどのフランチャイザーでは手厚い開業支援が用意されており、研修を実施してくれたり、ビジネスが軌道に乗るまでスーパーバイザーがサポートするケースがほとんどです。
つまりフランチャイズに加盟することで、フランチャイザーが構築した”儲かるノウハウ”が手に入るので、そのやり方に合わせて経営していけば、基本的には稼げるということです。
業界未経験者でもしっかりとしたマニュアルが用意されているので、サラリーマンが独立開業する時にも大人気なのです。
フランチャイズは低資金で開業できる
起業する場合は多額の資本金が必要になる為、銀行から借り入れをしたり、身内に借金をしたりしてお金を集めると思います。
それだけたくさんの資金を投下しても、ビジネスが軌道に乗るかどうかはわかりません。
そのような高リスク&高リターンのやり方が起業なのですが、「それほどリスクを取りたくないけど、自分でビジネスがしたい!」というニーズを満たすには、FC加盟がぴったりだと思います。
先ほど解説したように、フランチャイズの場合には、運営本部のノウハウを使うため、自分でゼロからビジネスを立ち上げるよりも短期間で事業を軌道にのせることができるのです。
逆にこのようなビジネスノウハウが無いと失敗するリスクも高まるので、「失敗したくない人にはフランチャイズビジネスが向いている」ということになります。
また、個人で仕入れを行うのではなく、FC本部が大量一括仕入れを行う為、個人事業主では実現できないような低価格で提供できることも強みだと思います。
フランチャイズの自由度は高くない
フランチャイズビジネスの場合には、基本的にフランチャイザーの経営理念に賛同し、その理念や方法を遵守して経営することになります。
もちろんオーナーは個人事業主なのですが、ブランドをチェーン化している為、お店によって品揃えやメニューが違ってしまうと、エンドユーザーであるお客様が混乱してしまいます。
そういった意味では、自分で独立開業する場合と異なり、決して自由度が高いとは言えないでしょう。
なのでFC加盟するフランチャイジーには、本部が用意したマニュアルを守りながら、その範囲内で創意工夫することが求められます。
結局、FC本部が売上を担保してくれたり、何かあった場合に守ってくれることはないので、自分で努力する必要はあるのです。
この辺りは「出来る範囲で…」という枕詞が付きますが、FCオーナーの創意工夫で売上に差が出てくるでしょう。
フランチャイズは副業に最適!
フランチャイズビジネスの中には、オーナー経営者として”経営のみ”に専念できるビジネススキームもあります。
このスキームの場合には、加盟金や従業員の給料などは支払いますが、店舗運営はFC本部のスタッフに任せてしまうのです。
このスキームでは、店頭で接客できない副業サラリーマンや、個人事業主のサイドビジネスとしてFC加盟する場合に便利だと思います。
ここまでフランチャイズビジネスの特徴をご紹介してきましたが、もしサイドビジネスを検討する場合は「フランチャイズに加盟する」というのが最有力候補の一つになると思います。
失敗するリスクが少なく、低資金で始められ、会社員のサイドビジネスでも大丈夫だからです。
ここからは具体的なフランチャイズモデルをご紹介していくので、ぜひ参考にして下さい。
【おすすめフランチャイズ①】コンビニエンスストア

コンビニエンスストアは街中でよく見かけますが、手堅いフランチャイズビジネスとしても有名です。
特に法人加盟が多いのは特徴的で、メガフランチャイジーとして上場する企業もあるほどです。
つまりコンビニビジネスはそれほど手堅く儲かるということです。
契約条件やブランドによっても異なりますが、基本的には立地が重要で、本部のドミナント戦略とバッティングした場合には極端に儲からなくなる可能性もあるので注意しましょう。
コンビニエンスストアの場合、一般的には5年~15年ほどの期間で契約することになります。
廃品商品サポートや最低保証制度などを設けているフランチャイザーもありますが、実質的なノルマが設定されているケースもあるので、その辺りは一長一短と言えるでしょう。
コンビニ経営の場合にはオペレーションが確立されているので、研修を受ければすぐに店舗運営は軌道に乗るはずです。
本部が経営している実店舗も多いので、そこで現場オペレーションを実体験できるのはメリットだと言えます。
しかしコンビニエンスストアは基本的に24時間営業なので、アルバイトの採用や従業員の雇用には、常に頭を悩ませることになるはずです。
【おすすめフランチャイズ②】ラーメン店

ラーメン屋の詳しい契約内容や開店までの流れは、各フランチャイザーによって異なりますが、ラーメン店はカウンター席さえあればオープンできるので、他のフランチャイズと比べて自己資金が少なくても開業できるのが特徴的です。
ラーメン屋の場合、基本的にお客様はお好みのラーメン屋さんが既にあるので、人気フランチャイズに加盟できれば、集客も簡単でしょう。
また、先に開店している他のフランチャイジーの実績は手堅いデータになり得るので、失敗することも少ないはずです。
近年では「町田商店」を経営しているギフトのような上場企業も出てきており、そのビジネスモデルに注目が集まっています。
FC加盟で当たり前だった、既存のロイヤリティシステムを排除し、卸ビジネスの仕組みにすることによって、加盟店の利益を最大化させたのです。
気になる人はチェックしてみてください。
【おすすめフランチャイズ③】学習塾やスクール

学習塾やスクールの場合、比較的大きな開校資金が必要です。
その金額はフランチャイザーによって異なりますが、1,000万円前後が目安になるでしょう。
塾経営の場合にはレバレッジが効きづらいので、大きく儲かりませんが、手堅く儲かることでも有名です。
近年ではITを積極活用したビジネスモデルが目立っており、これまでレバレッジが効かなかった塾経営も変化の兆しが見えています。
アタマプラスのようなAIを活用した塾向けサービスも出てきており、徐々に塾講師の役割も変化してきているように感じます。
その辺りも含めて、塾経営はシステムで運営できる部分が多いため、これから参入しても儲かる期待値の大きい業界だと思います。
【おすすめフランチャイズ④】お弁当や飲食店

お弁当や飲食店のフランチャイズは、まさに王道のFCビジネスだと思います。
お弁当の場合には客単価が低いため、1日でも開店していないと、取り返しがつかないほど売り上げに影響してしまいます。
よって、従業員や家族などの協力者が必要不可欠だと思います。
しかし古くからある比較的メジャーなビジネスの為、初心者でも取り組みやすいことが特徴的です。
なので、自分は経営に専念して、アルバイトだけで現場を回すことも現実的に可能でしょう。
開業資金は立地や店舗の大きさによって様々ですが、駐車場付きの独立店舗(ロードサイド型)、ショッピングモールのテナント入居などの場合には、多額の資金が必要になると思います。
欲張れば青天井になってしまうので、まずは低資本かつ高利益率を求めましょう。
FC加盟するメリット&デメリット
フランチャイズ加盟するメリットは、先ほどからお伝えしている通りフランチャイザーのブランド力を活用できる点です。
フランチャイズ本部のブランドは既に有名なケースが多いので、開店した当初から集客しやすい傾向にあります。
開店当初から売上を獲得できる為、今後の運転資金や集客への心配が少ないでしょう。
また運営ノウハウがあるのも大きなメリットだと言えます。
フランチャイズビジネスの核と言えるのは「仕組み」なので、そのオペレーションが手に入ることは大きなメリットだと思います。
とはいえ、基本的にはフランチャイザーの経営理念や方針に従うことになるので、販売する商品やサービスもある程度決まっています。
独自性(オリジナリティ)を持たせることができないのはデメリットですが、ノウハウやマニュアルと天秤にかけた場合には、メリットの方が多いと気づくはずです。
事業責任者を経験したことがなくても、手厚いサポートが受けられるので、初心者でも始めやすいことは安心ですよね。
他にも、銀行融資が受けやすいのは大きなメリットだと言えます。
個人事業主として審査を出すのと、FC加盟する場合とでは、圧倒的に後者の方が審査を通過しやすい傾向があります。
これは貸し出しする側(=銀行側)の気持ちになれば理解出来るのですが、FC加盟する場合には、既存店の実績が多数あるので、それをもとに収益シュミレーションを作成すれば手堅いデータになるのです。
同じ資金を貸し付けるのであれば、どうなるかわからない個人事業主よりも、実績豊富なFC加盟の方が資金回収率が高いと判断できるのです。
また、フランチャイザーのブランド力なども評価してくれるため、その辺りが+αの追い風になるでしょう。
その一方で、フランチャイザーにトラブルが起きた時、影響を受けやすいというデメリットもあります。
FC本部の不祥事に加盟店も引きずられるため、自分の力では何ともならず、運営本部と共倒れするリスクもあるのです。
フランチャイズの始め方
ここまで読み進めた人は、多少なりともフランチャイズビジネスに興味を持ったと思います。
フランチャイズ加盟を検討する場合には、フランチャイズ募集サイトで資料請求したり、気になるFC本部の説明会に参加することから始めてみましょう。
FC加盟を検討する場合には、とにかく情報収集することが大切です。
- フランチャイズビジネスは儲からない
- フランチャイズ本部に騙された
このような話もチラホラ聞きますが、基本的にフランチャイズは儲かるビジネスモデルになっているはずです。
とはいえ、一定数クオリティの低いFC本部がいるのも事実です。
ブランドだけ提供して、ロイヤリティをかすめることに集中し、「FC加盟者の成功は二の次」というFC本部も実際にはいるのです。
なのでFC加盟を検討する場合には、必ず以下のポイントをチェックしてください。
- 専属のスーパーバイザーは付くのか?
- ブランド価値は高いのか?
- 加盟金やロイヤリティの条件は?
- 契約期間はどれくらいか?
- ドミナント戦略はありえるか?(=商圏は守られるのか?)
- どれくらい自由度があるのか?
- マニュアルのクオリティは高いか?
- 広告宣伝のやり方は?
- アルバイトの採用はどうするのか?
先ほどから再三お伝えしている通り、フランチャイズビジネスとは「成功する為の仕組み」を提供することです。
なので、マニュアル含めて「完璧な仕組み」になっているかをチェックしましょう。
広告宣伝やアルバイトの採用は本部一括というケースもあるので、そのあたりも抜かりなくチェックしましょう。
そしてFC加盟する場合、絶対にやってはいけないのが以下の項目です。
- 売上を保証してもらうこと
- ブランド価値の低いFCに加盟すること
- サポートがないFCに加盟すること
- 本部おすすめ物件(エリア)にすること
- 集客をFC本部任せにすること
フランチャイズビジネスをする場合には、「FC加盟すれば安泰」という間違った認識を持たないのが賢明です。
フランチャイズビジネスに「開店=成功」という方程式はないので、成功するかどうかは、あくまでも自分の努力次第だと理解しましょう。
FC本部が提供してくれるのは「成功する為の仕組み」なので、あくまでも土台(=舞台)だけです。
そのマニュアル通りに経営すれば、基本的には軌道に乗るはずですが、そのビジネスが大きくなるかどうかはあなたの実力次第です。
フランチャイズといえども商売(事業)なので、開業して終わりではありません。
開店してからが本番なのだと肝に銘じておきましょう。