営業顧問とリファラル営業プラットフォームの違い、自社に合うのは?

企業成長に必要不可欠なのは新規顧客開拓ですよね。

その強力な一手として「営業顧問」や「リファラル営業プラットフォーム」の活用を検討する企業が増えているそうです。

どちらも外部の力を借りて商談機会を創出する手法なのですが、その実態は似て非なるものだと思っています。

つまり、百戦錬磨の肩書きがあるシニアの持つ「一点突破の太い人脈」か、Giver精神あふれる現役世代が織りなす「再現性のある広い人脈」か、ということです。

この違いを理解せずに導入すると、期待した成果が得られないばかりか、貴重な時間とコストを浪費しかねません。

そこで今回は、営業戦略の専門家として、両者の本質的な違いを徹底解説しながら、あなたの会社に最適な選択肢を見つけるための羅針盤を示したいと思っています。

営業顧問とリファラル営業プラットフォームの基本を理解しよう!

「営業顧問」と「リファラル営業プラットフォーム」を活用している企業は多いと思います。

でも、この言葉を聞いたことがあったとしても、その具体的な役割や仕組みを正確に理解している方は案外少ないかもしれませんね。

まずは、それぞれの基本的な定義と特徴を整理し、比較検討の土台を固めましょう。

営業顧問とは?

営業顧問とは、主に大企業の元役員や敏腕経営者など、豊富な経験と質の高い人脈を持つシニア層が、特定の企業と個別に契約し、営業活動を支援する存在です。

彼らの最大の武器は、長年のビジネスキャリアで築き上げた、決裁者クラスとの強固な信頼関係、いわゆる「太い人脈」に他なりません。

通常のアプローチでは面談すら難しい大企業の役員や業界のキーパーソンに対し、トップダウンで直接アプローチできるのが最大の魅力です。

まさに、難攻不落の城を攻め落とすための「切り札」や「密使」のような役割を担います。

特定のターゲット企業を何としても攻略したい、という明確な目標がある場合に、絶大な効果を発揮する可能性を秘めた手法と言えるでしょう。

リファラル営業プラットフォームとは?

一方で、リファラル営業プラットフォームは、自社の商品・サービスを広めたい企業と、人脈を活かして企業を支援したい「エージェント」と呼ばれる個人をつなぐ、オンライン上のマッチングサービスです。

エージェントは現役の営業パーソンや各業界の専門家など多岐にわたります。

企業はプラットフォーム上で自社のサービスを登録して、登録しているエージェントに紹介を依頼し、エージェントは自身のネットワークから最適な紹介先を見つけ出して、企業につなぐことで報酬を得る仕組みです。

この手法の強みは、一人の強力な人脈に依存するのではなく、多種多様なバックグラウンドを持つ数多くのエージェントの人脈へ、同時にアプローチできる点にあります。

特定の業界だけでなく、これまで接点のなかった未知の領域へもアプローチの網を広げられるのが特徴です。

また、後述するように、営業活動そのものを「仕組み化」できるという、組織にとって非常に大きなメリットも持ち合わせています。

違い①【人材と人脈】シニア層の「太く狭い人脈」 vs 現役世代の「広く多様な人脈」

両者の最も本質的な違いは、活動を支える「人」と、そこから生まれる「人脈」の質と量にあります。

ここを理解することが、自社に合ったサービスを選ぶ上で最初の、そして最も重要なステップです。

営業顧問の人脈:質は高いが、量と柔軟性に課題を抱える

営業顧問が提供する人脈は、一言で言えば「深く、狭い」ものです。

彼らがつながりを持つ人物は経営者や役員クラスが多く、その質の高さは疑いようもありません。

たった一本の電話で、長年アプローチしても開かなかった扉が開く、というドラマチックな展開も十分にありえるのです。

しかし、その裏側には見過ごせない課題も存在します。

まず、人脈の数は当然ながら限られます。

そして、より本質的な課題は、顧問自身のプライドやメンツが大きく影響する点です。

彼らは自らの顔に泥を塗ることを極端に嫌うため、「この会社、この商材なら自信を持って紹介できる」という確信がない限り、決して動いてはくれません。

私の経験上、営業顧問はまさに『諸刃の剣』です。

ハマれば絶大な効果を発揮する一方で、自社の商材やターゲットと顧問の経歴・人脈がわずかでもズレると、全く機能しないリスクをはらんでいます。

支援先の企業を厳しく選別する傾向があるため、誰もが活用できるわけではない、という現実も知っておくべきでしょう。

プラットフォームの人脈:Giver精神に基づく広範なネットワーク

リファラル営業プラットフォームのエージェントは、20代から40代の現役ビジネスパーソンが中心です。

彼らの人脈は、営業顧問のような縦のつながり(経営層)だけでなく、現場の担当者やマネージャー層など、横への広がりを持っているのが特徴です。

そして何より注目すべきは、彼らの活動の根底にあるマインドセットです。

多くは、「自分が良いと思ったサービスを、困っている知人に紹介したい」「人と人をつなぐことで価値を生み出したい」という、純粋な「Giver精神」に突き動かされています。

もちろん報酬というインセンティブはありますが、それ以上に「紹介先の役に立つか?」という視点を非常に大切にしています。

そのため、紹介先のメリットさえ明確であれば、積極的に人脈を提供してくれる傾向が強いのです。

この『Giver精神』こそが、リファラル営業プラットフォームの最大の強みだと私は確信しています。

紹介する側もされる側も、そして紹介先もハッピーになる「三方よし」のポジティブな連鎖が生まれやすいのです。

違い②【仕組み化】属人化する営業顧問、仕組み化できるプラットフォーム

人脈の次に大きな違いが、営業活動を「仕組み化」できるか否か、という点です。

これは、企業の持続的な成長を考える上で、極めて重要な観点となります。

営業顧問の活動:成果が個人のスキルに依存し、ノウハウが残らない

営業顧問との連携は、基本的に担当者と顧問の「1対1」の関係で進みます。

どのようなアプローチが行われ、どのような交渉がなされているのか、そのプロセスはブラックボックス化しがちです。

成果が出れば良いですが、出なかった場合の原因究明は難しく、ノウハウが社内に蓄積されることはほとんどありません。

つまり、最大の懸念事項は、その活動が完全に「属人化」してしまうことです。

成果はすべてその顧問個人のスキル、人脈、そしてモチベーションに依存します。

もしその顧問との契約が終了すれば、築き上げた人脈との関係も、そこで途切れてしまう可能性が高いのです。

これこそ、私が最も強調したい点です。

営業顧問に頼り切る戦略は、企業の営業力を根本から強くするものではない、という事実です。

それはあくまで『外部のスーパーマン』に依存した状態であり、持続可能性という観点では大きな課題を抱えています。

プラットフォームの活用:再現性のある「リファラル営業の仕組み」を構築

リファラル営業プラットフォームは、個人の力に頼るのではなく、営業部門全体で活用する「ツール」としての側面が強いのが特徴です。

プラットフォーム上では、どの営業担当者が、いつ、どのようなエージェントに、どんな紹介依頼を出したのか。

そして、その結果として何件のアポイントが獲得でき、どの程度受注につながったのか、といった活動データがすべて可視化されます。

これらを活用しながら成功パターンを分析し、「どのような業界のエージェントに、どのようなメッセージで依頼すれば、質の高い紹介が生まれやすいのか?」といった、再現性のあるノウハウを組織内に蓄積していくことが可能になります。

これは、特定のスタープレイヤーに依存するのではなく、営業組織全体のレベルを底上げすることに直結します。

リファラル営業プラットフォームを導入する本質は、単に紹介を待つのではなく、『紹介を生み出す仕組み』そのものを社内にインストールすることにあります。

これは、営業組織にとって計り知れない資産となるでしょう。

比較表で一目瞭然!営業顧問とリファラル営業プラットフォームの違い

ここまで解説してきた内容を、比較表にまとめました。

両者の違いを客観的に整理し、自社の状況と照らし合わせてみてください。

比較項目営業顧問リファラル営業プラットフォーム
主な担い手元大手役員、経営者などのシニア層20代〜40代の現役営業パーソン、各業界の専門家など
人脈の質と量質は非常に高い(決裁者層)。量は限定的。質は多様(担当者〜経営層)。量は非常に多い。
アプローチ対象特定の大企業、業界のキーパーソンなど(狭く深い)幅広い業界、規模の企業(広く多様)
活動の仕組み属人化しやすい(個人のスキルに依存)仕組み化しやすい(組織的な活動が可能)
コスト構造高額な月額固定費+成果報酬が一般的月額利用料+成果報酬が一般的(比較的安価から始められる)
メリット
  • 決裁者へのトップダウンアプローチが可能
  • 短期で大きな成果が出る可能性がある
  • 企業の信頼性向上につながる場合がある
  • 多様な人脈に同時にアプローチできる
  • 営業活動を仕組み化・効率化できる
  • 再現性のあるノウハウが社内に蓄積される
デメリット
  • コストが高い
  • 成果が顧問のスキルや相性に大きく依存する
  • 支援先企業を選別する傾向がある


  • 成果が出るまでに一定の活動量が必要

  • エージェントとの関係構築が重要になる

  • 短期的な一発逆転は狙いにくい


まとめ:自社の事業フェーズに合わせ、戦略的に使い分ける

ここまで営業顧問とリファラル営業プラットフォームの違いについて解説してきましたが、どちらか一方が絶対的に優れているわけではありません。

重要なのは、自社の事業フェーズ、ターゲット顧客、そして営業組織の成熟度に合わせて、最適な手段を選択することです。

【営業顧問が向いている企業】

  • 攻略したい特定のエンタープライズ企業が明確に定まっている。
  • 商材の単価が非常に高く、決裁者へのトップダウンアプローチが最も有効。
  • すでに一定の事業実績やブランド力があり、顧問が「紹介したい」と思えるだけの魅力を持っている。

【リファラル営業プラットフォームが向いている企業】

  • SMBからエンタープライズまで、幅広い業界・規模の企業にアプローチしたい。
  • 営業組織を立ち上げたばかりで、再現性のある「勝ちパターン」を構築したい。
  • 属人化を避け、データに基づいた効率的な営業活動の仕組みを社内に根付かせたい。

では、最終的にどちらを選ぶべきか。

私の結論としては、『まずリファラル営業プラットフォームで仕組みの土台を築き、その上で特定のターゲットを攻略するために営業顧問をピンポイントで活用する』というやり方です。

このハイブリッド戦略こそが、多くの企業にとっての最適解だと、個人的には思っています。

まずはプラットフォームで広く網を張り、市場の反応を見ながら自社の強みが活きるセグメントを見極める。

そして、その中で見えてきた「大物」を狙い撃つために、専門家である営業顧問の力を借りる。

この戦略的な使い分けこそが、現代の営業戦略における成功の鍵を握るのです。

最後までご覧いただきましてありがとうございました。

この記事が、あなたのビジネスの成長を加速させる一助となれば幸いです。

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