
- 商談は良い雰囲気で盛り上がったはずなのに、その後まったく連絡がない…。
- 提案書を送ったきり、返信が途絶えてしまった…。
こんな経験、営業担当者なら誰しも一度はあるのではないでしょうか?
実際私は何度も経験しているのですが、手応えを感じた商談ほど、その後の放置は精神的にも堪えますよね。
なぜ、あんなに好感触だったはずの商談が、次のステップに進まないのか…。
その原因の多くは、商談の最後に「次の約束」を明確に握れていないことにあると考えています。
そこで今回は、私自身の営業経験をもとに、提案放置を防いで商談を次のステージへ確実に進めるための「次のステップの握り方」を、具体的な3つのコツとトーク例を交えながら徹底解説していきたいと思います。
目次
なぜ?商談後に連絡が途絶える原因は「握り」の甘さにあった
商談がうまくいったと感じても、結果的に案件が停滞してしまうのはなぜでしょうか。
その根本的な原因は、商談時のクロージング、つまり「次のステップの握り方」が曖昧であるケースがほとんどだと考えています。
例えば、お客様の「検討します!」という言葉を鵜呑みにして、ボールを相手に委ねてしまっていませんか。
まずは、連絡が途絶えてしまうメカニズムから理解していきましょう。
「検討します」は思考停止のサイン?
商談の最後に飛び出す「前向きに検討します」という言葉。
これは一見ポジティブな反応に見えますが、実は多くの場合、具体的なアクションに繋がりません。
なぜなら、お客様自身も「何を」「誰と」「いつまでに」検討すれば良いのかが明確になっていないからです。
結果として、商談した内容を持ち帰ったものの、日々の業務に追われて、その時の提案内容は忘れ去られ、優先順位はどんどん下がっていきます。
私の経験上、この「検討します」は、多くの場合、丁寧な断り文句か、あるいは営業担当者への「丸投げ」のサインだと考えています。
つまり、お客様に思考を委ねるのではなく、こちらが検討のレールを敷いてあげる必要があるということです。
次へのアクションが不明確だと、必ず優先順位は下がる
ビジネスの現場では、誰もが多くのタスクを抱え、常に時間に追われています。
そんな中で、次に何をすべきかが不明確な案件は、自然と後回しにされてしまいます。
- 時間ができたら考えよう…。
- とりあえず資料だけ見ておこう…。
このように思われた瞬間、その商談の熱量は急速に失われていきます。
営業担当者の役割は、製品やサービスを説明することだけではありません。
お客様が次の行動を起こしやすいように、具体的な道筋を立ててあげることも含まれるのです。
つまり「プロジェクトマネージャー」のような役割も担っているということです。
明確な「締め切り」と「タスク」がなければ、案件は他の緊急な業務の波に飲み込まれてしまうことを、セールスパーソンは肝に銘じて欲しいと思っています。
商談の熱量を保ったまま次のステップに進むためには、こちら側が主導権を握り、具体的な約束を取り付けることが不可欠なのです。
提案放置を防ぐ!商談で次のステップを握る3つの基本ルール
では、具体的にどうすれば「次のステップ」を確実に握れるのでしょうか?
ここでは私がこれまでの経験した、絶対に外せない3つの基本ルールをご紹介したいと思っています。
このルールを意識するだけで、商談後の展開は劇的に変わるはずです。
ルール1:必ず「日時」と「担当者」をその場で決める
これは最も重要かつ基本的なルールです。
商談というのは、「後日、改めて日程調整のご連絡をします」では絶対にいけません。
必ず、その商談の場で、次の打ち合わせの「具体的な日時」と「参加者(担当者)」を確定させましょう。
お互いのカレンダーアプリを開き、その場でスケジュールを押さえてしまうのが理想です。
相手の熱量が最も高いのは、商談が終わった直後。
これが絶対です!
なので、このタイミングを逃してしまうと、日程調整のメールが往復するうちに温度感が徐々に下がり、最悪の場合、案件が自然消滅してしまいます。
これは私の経験則なのですが、商談の場で次のアポイントが取れない案件は、8割が失注すると言っても過言ではありません。
それくらい、この「その場で決める」という行為は、案件の成否を分ける生命線なのです。
ルール2:「誰が」「何を」「いつまでに」やるかを双方で確認する
次の打ち合わせの日時が決まったら、それまでの「宿題」を明確にします。
重要なのは、自社側だけでなく、お客様側にも具体的なタスク(ネクストアクション)を設定し、合意することです。
- 【自社側】例:「本日いただいたご要望を反映した詳細な見積もりを、来週の火曜日までにお送りします。」
- 【お客様側】例:「お送りした見積もりを、火曜日までに〇〇部長にご確認いただけますでしょうか?」
このように、「誰が」「何を」「いつまでに」やるのかを箇条書きレベルで良いので明確にし、双方で認識を合わせます。
これは私も日々意識していることなのですが、できる限り私自身が宿題を背負うようにしていて、それによって私が案件の進捗をコントロールできるように努めています。
このような握り方をすれば、お客様は単なる「検討者」から、プロジェクトを共に進める「当事者」へと意識が変わります。
この小さな約束の積み重ねが、信頼関係を構築し、案件を前進させる強力なエンジンとなるのです。
ルール3:次のステップへの期待感を醸成する
ただ単純に、次の約束を取り付けるだけでは不十分です。
相手が「次の打ち合わせに早く参加したい」と思えるような、期待感を醸成することが極めて重要です。
次の打ち合わせで、相手が何を得られるのか、どんなメリットがあるのかを具体的に伝えましょう。
- 「次回は、本日お話しいただいた〇〇という課題に対し、弊社サービスでどのように解決できるか、具体的なデモンストレーションを交えてお見せします。」
- 「次のミーティングでは、〇〇様と同様の業界での成功事例を3つほどご紹介し、導入後のイメージをより具体的に掴んでいただこうと考えております。」
このように、次の打ち合わせが相手にとって価値のある時間であることを明確に伝えるのです。
相手が「次の打ち合わせが楽しみだ」と感じてくれれば、その商談はほぼ「成功した!」と言っても過言ではないでしょう。
【そのまま使える】ネクストアクションを握るための実践トーク例
理論はわかっても、いざ実践となると言葉に詰まってしまいますよね。
ここでは、私が現場で実際に使ってきた、ネクストアクションを握るための具体的なトーク例をいくつかご紹介します。
ぜひ、ご自身の言葉に置き換えて活用してみてください。
日時を決めるためのクロージングトーク
相手に「決めさせられている」と感じさせず、自然な流れで次のアポイントを確定させるためのトークです。
ポイントは、こちらから選択肢を提示し、相手に選んでもらう形にすることです。
- (選択肢提示型)「本日は貴重なお時間をありがとうございました。ぜひ、より具体的なご提案をさせていただきたく、来週あたりに再度お時間をいただけないでしょうか。例えば、火曜日の午後か、水曜日の午前中ですといかがでしょう?」
- (理由提示型)「本日いただいた課題を解決するため、急ぎ社内で最適なプランを検討いたします。来週早々には具体的なお見積もりと合わせてご説明できますので、来週月曜の15時はいかがでしょうか?」
- (仮押さえ型)「ありがとうございます。それでは、皆様のご予定もあろうかと思いますので、一旦、来週水曜の14時でスケジュールを仮押さえさせていただいてもよろしいでしょうか?もしご都合が悪ければ、後ほど変更いただいて結構ですので。」
宿題(タスク)を依頼する際のトーク
お客様側にアクションを依頼する場合は、高圧的な印象を与えず、あくまで「より良い提案のため」という協力をお願いするスタンスがいいと思います。
その時、相手の負担を気遣う一言を添えるのがポイントです。
- 「大変恐縮なのですが、より精度の高いご提案をさせていただくために、現在お使いの〇〇に関する簡単なデータを、今週末までにご共有いただくことは可能でしょうか?」
- 「次回の打ち合わせをより有意義なものにするため、もしよろしければ、本日お話しした内容を〇〇部長にも簡単にご共有いただけますと幸いです。その際の補足資料として、本日の議事録を後ほどお送りします。」
- 「〇〇様、ありがとうございます。それでは、次回までに弊社で〇〇の資料を用意いたしますので、〇〇様には△△についてご確認いただく、という流れで進めさせていただけますでしょうか。」
オンライン商談で注意すべき「次のステップ」の握り方とは?
近年主流となったオンライン商談では、対面とは異なる特有の難しさがあります。
相手の反応が読み取りにくく、場の空気が掴みづらい中で、どのようにして確実に「次のステップ」を握れば良いのでしょうか?
そこでは、オンラインならではの工夫が必要となります。
画面共有で「議事録」と「ネクストアクション」を可視化する
オンライン商談の最大の武器は、やっぱり「画面共有」ですよね。
商談の最後に、Wordやメモ帳などを画面共有し、その場で決定事項をタイピングしながら確認するのです。
- 本日の決定事項
- 次回打ち合わせ日時:〇月〇日(火)14:00〜15:00
- 参加者:〇〇様、△△(弊社)
- 次回までのタスク:
- 【〇〇様】〇〇部長への内容共有(〇日まで)
- 【弊社】詳細見積もりの提出(〇日まで)
このように文字として可視化することで、言った言わないの齟齬を防ぎ、双方の認識を完全に一致させることができます。
現在はオンライン商談の自動文字起こしの機能(又はツール)もありますので、それらを上手に活用することをおすすめします。
オンライン商談は相手の反応が読みづらい側面もありますが、この「可視化」という武器を使えば、むしろ対面よりも確実に合意形成できる、と私は考えています。
それは、対面での口約束よりも、はるかに強力な「握り」となるでしょう。
「ながら作業」を防ぎ、相手の意識を引き戻す
オンライン商談では、相手がメールチェックなどの「ながら作業」をしている可能性があります。
これは私自身何度も経験したことがありますが、こちらとの会話は上の空で、何か別の作業に没頭している感じが見受けられるのです。
そんな時は、相手の名前を呼びかけて、こちらに意識を向けるように仕向けましょう。
「〇〇様、本日の内容で何かご不明点はございませんでしたか?」「このネクストアクションで進めさせていただいて、よろしいでしょうか?」といった具体的な問いかけは、相手の意識をこちらに引き戻す効果があります。
また、前提として、相手を飽きさせない工夫も重要です。
例えば、ノートPCでの閲覧を想定して資料の文字を大きくしたり、重要な部分を色付けしたりするなど、視覚的に分かりやすい資料作りを心がけることは、現代セールスの必須スキルだと思います。
明確な約束で商談を次のステージへ進めよう
商談後の提案放置は、営業担当者の努力を水泡に帰す、非常にもったいない状態だと考えています。
その原因は、商談内容の良し悪しではなく、最後の「握り」の甘さにあります。
「良い雰囲気で終わった」という自己満足で終わらせず、「具体的な次の約束」を取り付けて初めて、商談は初めて成功だと言えます。
今回ご紹介した3つの基本ルール「日時のその場決定」「双方のタスク明確化」「期待感の醸成」を徹底するだけで、きっと商談は見違えるように良くなるでしょう。
曖昧な「検討します」を卒業し、明確なネクストアクションという名のバトンを顧客と共に握りしめ、着実に成果へと繋げていきましょう。













