
今回は若手営業マンがよく行っている「騙し討ち営業」について解説したいと思っています。
若手営業マンはもちろんですが、営業マネージャー(管理者)も必見の内容となりますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
若手営業が無意識に陥る「騙し討ち営業」の罠
「近くまで来たので、名刺交換だけでもさせてください」
「新商品のパンフレットをお持ちしただけなので、お時間は取らせません」
営業活動を始めたばかりの若手営業マンや、なかなかアポイントが取れずに焦っているビジネスパーソンの中には、このような切り口で顧客にアプローチしている方も多いのではないでしょうか。
一見すると、熱心で行動力があるように見えるかもしれません。
しかし、これこそが今回テーマとする「騙し討ち(だましうち)営業」の典型例です。
恐ろしいのは、多くの若手営業マンが「悪気なく、無意識のうちに」この手法をやってしまっているという点です。
先輩の真似をしたり、目先の「会うこと」だけを目的にしたりするあまり、知らず知らずのうちに顧客からの信頼を失っているのです。
本記事では、騙し討ち営業の具体的な実態から、それが絶対にNGである本当の理由、そして「誠実さ」を武器に売上を伸ばすトップ営業マンのアプローチ手法までを徹底的に解説します。
そもそも「騙し討ち営業」とは?
騙し討ち営業とは、「本来の目的(商品の売り込み・提案)を隠す、または偽って顧客に近づき、対面した段階で強引に営業活動を始める手法」のことです。
まぁ、要するに不誠実な営業ということですね。
まずは、現場で特によく見られる3つのパターンを確認してみましょう。
自分自身や、あなたの部下がやってしまっていないかチェックしてみてください。
パターン1. 「挨拶だけ」「情報提供だけ」詐欺
「ご挨拶だけで結構ですので」と言ってアポイントを取り、始まった瞬間にガッツリ自社サービスのプレゼンを始めるパターンです。
顧客側は「名刺交換くらいなら」「挨拶だけなら」と時間を割いたにもかかわらず、一方的な売り込みに付き合わされることになります。
パターン2. 「アンケートへのご協力」からの強引な勧誘
「今後のサービス向上のための簡単なアンケートです」と称して近づき、回答が終わった途端に「実は、お客様のような方に最適なプランがありまして…」と営業モードに切り替える手法です。
同じようなやり方に「無料でインタビュー記事の作成をしております」というパターンがあります。
確かにインタビュー記事は無料で作成してくれるのですが、「その代わりにおすすめする企業の提案を3つ受けてもらいます」という提案をしてくるのです。
これはつまり営業代行会社がアポイント代行を提供しているので、そのビジネス(マネタイズ)に巻き込まれてるだけですね。
目的のすり替えは相手に強い不快感を与えます。
パターン3. 「近くに来たので」というアポなし突撃(飛び込み営業の悪質化)
アポなしの訪問自体がすべて悪というわけではありません。
しかし、「近くに御用があったので、お顔だけでも拝見できればと…」と受付で言いながら、対応してくれた担当者に対してその場で長時間の商談を迫る行為は、相手のスケジュールを無視した騙し討ちと言えます。
なぜ騙し討ち営業はダメなのか?その3つの理由
「きっかけは何であれ、最終的に商品の良さが伝わればいいのでは?」と思う人がいるかもしれません。
しかし、それは大きな間違いです。
騙し討ち営業がビジネスにおいて致命的である理由を3つの視点から解説します。
理由①:お客様の「時間」と「感情」を奪う行為だから
ビジネスにおいて、相手の「時間」を奪うことは「お金」を奪うことと同義です。
「5分だけ」と言われて応じたのに30分拘束されたら、顧客は騙されたと感じます。
さらに深刻なのは、お客様の「あなた(会社)を信じようとした感情」を裏切る点です。
期待を裏切られた側には「不快感」と「不信感」しか残りません。
理由②:目先の1件のために「未来の100件(紹介やリピート)」を失うから
騙し討ち営業でも、確率論で言えば稀に契約が取れることはあります。
しかし、その顧客があなたのファンになることはありません。
現代のビジネス、特にBtoB営業や高単価な商材においては、契約後のリピートや、他のお客様からの「紹介」が最大の売上ドライバーになります。
騙し討ちで獲得した1件の裏では、誠実に営業していれば得られたはずの「未来の100件のチャンス」を自らドブに捨てているのです。
理由③:SNS時代の現代において「企業の社会的信用」を失うリスクがあるから
今は誰もがスマホを持ち、個人の発信力がある時代です。
「〇〇という会社の営業に、挨拶だけと言われて騙し討ちされた」「強引に居座られた」といった悪評は、SNSや口コミサイトを通じて一瞬で拡散します。
個人の身勝手な営業手法が、会社全体のブランドを失墜させるリスクを孕んでいるのです。
騙し討ち営業に走ってしまう営業マンの心理と背景
なぜ、多くの若手営業マンがこの手法に手を出してしまうのでしょうか。
その背景には、営業現場が抱える構造的な問題があります。
- 「とにかく会ってこい」という根性論の指導
上司や先輩から「断られたら目的を変えてでもとにかくアポを取れ」「対面すればなんとかなる」と教えられているケースです。 - 目先のノルマ(行動量・アポ件数)への焦り
今月のKPI(重要業績評価指標)を達成したいがために、後先の信頼関係よりも「とりあえず今日の面談枠を埋めること」を優先してしまう心の余裕のなさが原因です。 - 「断られる恐怖」からの逃避
「提案させてください」と正直に言うと、高確率で断られます。その断られる痛みを避けるために、「挨拶だけ」というハードルの低い言葉に逃げてしまうのです。
トップ営業マンが実践する「誠実なアポ獲得:3ステップ」
では、騙し討ちをせずに、どうやってアポイントを獲得すれば良いのでしょうか?
長期的に売れ続けるトップ営業マンは、最初から「誠実さ」を全面に出して顧客と向き合っています。
その具体的なステップをご紹介します。
ステップ1:訪問の目的を「正直に」かつ「価値を添えて」伝える
目的を隠すのではなく、オープンにします。
ただし、単に「売り込みたい」と言うのではなく、「相手にとってどんなメリットがあるか(ベネフィット)」をセットで伝えます。
【NGな例(騙し討ち)】
「近くまで来たので、ご挨拶だけでもと思いお電話しました」
【OKな例(誠実なアプローチ)】
「今回は、御社と同業界で〇〇%のコスト削減に成功した最新の事例をご紹介したく、お電話いたしました。情報収集の一環として、15分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか?」
このように伝えれば、相手は「自分にとって価値があるかどうか」を判断して席を設けてくれます。
会えた段階で、すでに商談の土台ができ上がっているのです。
ステップ2:最初に「終わりの時間」を宣言し、厳守する
面談が始まったら、まず最初に時間の確認をします。
「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。事前に申し上げました通り、15分間で事例のご紹介をさせていただきます。〇時〇分まででよろしいでしょうか?」
この一言があるだけで、顧客は「この営業マンは時間を守るプロだ」と安心し、警戒心を解いて話を聞いてくれるようになります。
ステップ3:断られたら「引き際」を美しくする
正直にアプローチして断られた場合は、深追いせずに引き下がります。
「承知いたしました。また御社のお役に立てそうな情報がございましたら、メール等でご案内させていただきます」と、爽やかに去りましょう。
引き際が美しい営業マンは記憶に残りやすく、将来「そういえば、あの時の丁寧な営業マンに相談してみようか」と、向こうから連絡が来るケースも珍しくありません。
営業の本質は「信頼関係の構築」である
営業とは、小手先のテクニックで相手を騙して商品を売りつけるゲームではありません。
お客様の課題を解決し、共に利益を生み出すための「パートナーシップの構築」こそが本質です。
騙し討ち営業は、そのパートナーシップの土台となる「信頼」を、最初の一歩目で自ら破壊する行為です。
もし、これまでの営業スタイルを振り返って「あ、やってしまっていたかも」と少しでも思う節があれば、今日から変えていきましょう。
最初から目的を誠実に伝え、相手に敬意を払う営業スタイルへとシフトすれば、目先のアポ率は一時的に下がるかもしれませんが、最終的な成約率(契約率)やリピート率は劇的に向上します。
誠実さこそが、厳しいビジネスの世界を生き抜く最大の武器です。
目先の数字に惑わされず、お客様から長く愛されるプロの営業マンを目指していきましょう!













