完全歩合制が違法になるケース|完全出来高制&フルコミとの違い

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完全歩合制は一般的に活用されている仕組みですが、使い方によっては違法になるケースがあります。

そこで今回は、完全出来高制や歩合制などの違いについて解説していきたいと思います。

完全歩合制とは

完全歩合制とは

完全歩合制は給与制度の一つです。毎月一定の給料を支払うのではなく、仕事の成果に応じて会社がお金を支払う制度のことを言います。

完全歩合制を採用している職種と言えば、保険や不動産の営業やセールス、又は個人事業主であるフリーランスやクリエイターなどになります。

完全歩合制は成果がそのまま評価されることになるため、自分がどれだけの成果を上げたのかはっきりと認識することができます。年功序列も関係ないため、若くして高収入を狙うことができるというメリットもあります。

完全歩合制には様々なメリットがありますが、収入が不安定になるという大きなデメリットが存在します。実績を上げれば高収入を得られるということは、言い換えれば実績が出せなければ入ってくるお金がないということです。

人との競争に勝ち抜き、自分を支えるだけの実力がなければ難しい、かなりシビアな仕組みであると言うことができるでしょう。

関連記事:完全歩合制の営業マンは違法!?正社員とフルコミッションの違い

完全歩合制は業務委託

完全歩合制で支払われるお金は、給与というよりも報酬やマージン、コミッションであると言えるでしょう。一般的な正社員が受け取る毎月定額の給料とは明らかに性質が異なるからです。

完全歩合制で働く場合、会社との関係は業務委託契約となります。雇用契約ではありません。そのため、業務委託契約では会社側の社会保険に加入することは、ごく稀なケースを除けばありません。

また、今働いている正社員を、完全歩合制で働かせることもできません。

関連記事:完全歩合制の仕事って辛いの?正社員とは反対の業務委託という働き方

歩合制との違い

歩合制との違い

「完全歩合」と「歩合制」は似て異なるものです。完全歩合はフルコミッション制とも呼ばれ、仕事の成果に応じて給与の全てが決定します。

これに対して、コミッション制とも呼ばれる歩合制は「基本給+歩合給」という給与体系を指します。一定で変化しない基本給に、業績によって変動する歩合給が加えられて毎月の給与額が決定するのです。

アパレルの販売や営業職によく見られる給与体系で、業績を上げれば給与アップに繋がるため、やりがいを感じやすい仕組みであると言えるでしょう。

関連記事:コミッション制とフルコミッションの違いはフィーにあった

歩合給の決め方

歩合制で気を付けたいのが、基本給と歩合給それぞれの割合です。これは法律で決まっている訳ではなく、会社によって割合が変わります。

基本給の割合が高ければ給与が安定する一方、高い業績を上げても見返りは少なくなります。歩合給の割合が高ければやりがいは上りますが、当然給与が激減するリスクも背負うことになります。

基本的には、社員のやる気を最大限引き出す仕組みが理想的と言えます。

関連記事:営業歩合の相場はいくら?歩合制導入のメリット&デメリット

インセンティブの役割

歩合給に似た言葉で「インセンティブ」があります。別名「インセンティブ制」と呼ばれることもあります。

同じような意味で使われることも多いですが、歩合給は成果があった1件ごとに企業が支払うお金、という意味なのに対して、インセンティブはご褒美という意味合いが強くなります。

つまり一定の成果でいくら、という大まかな金額設定になっていることが多いのです。

関連記事:営業給料はインセンティブで稼ぐ|営業給与と歩合が高くなる理由

完全出来高制との違い

完全出来高制との違い

「完全歩合制」と「完全出来高制」そして「フルコミッション」、この3つの制度は全て同義です。労働者は会社と業務委託契約を結び、その実績に応じてお金を受け取る形態となります。

労働者の側からすると、高額報酬が期待できると同時に、仕事に対するモチベーションを上げやすいというメリットがあります。成果を上げれば報酬に繋がるため、ただ漠然と仕事をするのではなく、自然と仕事の質を上げる為に努力することができるのです。

また、成果に応じて報酬が決まるため、働き方を自分で決められるというメリットもあります。

フルコミッション

企業側のメリット

では企業の側から見たメリットは何なのでしょうか。まず人件費の抑制という側面があります。

社員として雇用すると、どんなに使えない社員であっても一定の給与を払わなければなりませんし、解雇しようにも法律で定められた解雇条件が厳しいため、簡単に辞めさせられないという現実があります。

成果を上げてくれない、というだけでは解雇条件にならないため、不景気などで会社経営が厳しくなると人件費が大きな負担になってしまいます。

その点、完全歩合制の労働者は成果に応じた報酬を支払うことになるため、無駄な人件費を支払う必要がありません。リスクを抑えた組織づくりを実現することができるのです。

関連記事:完全歩合制のメリットは少ない?正社員を辞めるデメリットとリスク

完全歩合制は違法?

完全歩合制は違法?

完全歩合制は、しばしば違法なのではないかと語られることがあります。結論から言うと、完全歩合制は違法ではありません。

ただし正社員を完全歩合制で働かせると違法になります。完全歩合制で働くことを考えている、あるいは制度を導入しようと思っている場合、この点を詳しく確認しておく必要があります。

労働基準法27条では、雇用している従業員に対して、労働時間に見合った一定の賃金を支払わなければならないと定めています。

完全歩合制は、成果を上げない人には給与を支払わなくていい、いわば企業にとって非常に都合のいい制度なのですが、正社員として雇っている以上は一定の給与を保証しなければならないのです。

つまり正社員として雇っている労働者を、完全歩合制で働かせることは違法となるのです。

関連記事:フルコミッション制(完全歩合制)と業務委託の違い|その違法性は?

会社員と業務委託の違い

会社員なのに歩合で働いている、という人がたまにいますが、この場合は完全歩合ではなく、基本給と歩合給の両方が支払われている歩合制というシステムで働いています。基本給部分で給料が最低保証されているため、これなら違法になりません。

完全歩合制で結ぶことになる業務委託とは、つまり会社と相対契約を結ぶという意味です。つまり独立した個人事業主として、会社と契約を交わす立場になるということです。

関連記事:違法性はない?完全歩合制フルコミッションの仕事とは?

完全歩合制に残業代は必要?

残業代

完全歩合制で働く労働者は、会社と雇用契約によって結びついている訳ではありません。会社から支払われるのは歩合給やインセンティブのみであり、社会保障や住宅手当といった各種手当は受け取ることができません。

これは残業代も同じで、一般的には出ないことになっています。あくまで正社員とは違う立場だからです。

しかしこれはあくまで形式基準であり、完全歩合制で働いている場合でも「労働者」と認められた場合は残業代を支払われる可能性があります。労働者として認められるケースにはいくつか例があります。

例えば仕事時間や仕事場所を拘束される程度が強い場合、あるいは業務遂行のため、開始の指揮命令に従わされている場合などです。

こうしたケースでは、契約形式が「業務委託」であっても実態が「雇用」であると判断され、偽装請負とみなされるケースがあります。一度自分の働き方について振り返ってみましょう。

関連記事:フリーランサーとしての働き方|フリーランスと自営業の違い

業務委託とは個人事業主

企業の立場で見ると、たとえ完全歩合制であっても突然残業代を請求される可能性があるということです。本来完全歩合制で働く労働者は、業務委託契約を結んだ個人事業主であり、会社の従業員ではありません。

その点を理解せず自社社員として扱っていると、ある日突然歩合給以外の支払いを請求されるかもしれません。注意しておきましょう。

関連記事:完全出来高制の業務委託はフルコミッションセールスと違う?

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