
営業というとどうしても男性の仕事というイメージがありますが、実は女性だからこそできる営業もあります。はたして女性に向いている営業にはどんなものがあるのでしょうか?女性ならではの特性から、女性が営業職に就くメリットを解説していきます。
また、逆に女性だからこそ気をつけておきたい注意点もあります。「営業の仕事をしようかな」と考えた人は、ぜひこのメリットと注意点を理解してから求職活動に取り組んでくださいね。
概要
女性は営業に向いているのか?
営業の職場にはまだまだ男性が多いもの。「女性でも大丈夫かな?」と心配する人もいますが、女性だから営業に向いている、または、向いていないという考え方をする必要はありません。周囲を見回してみると、営業で頑張っている女性もたくさんいます。
例えば、旅行会社や携帯電話の窓口、コールセンターなどでは女性がたくさん活躍しています。また、不動産や金融機関でも女性の営業は珍しくありません。もちろん企画を立てたりプレゼンをしたりするのも男性でなければ出来ないというわけではありません。
このように、営業といってもさまざまな職場があるのですから、それほど性別にこだわる必要はないでしょう。特に、営業の場合は人に接する仕事が多いので、女性の特性を活かしやすい職業といえます。もし、初めての窓口で女性に笑顔で「いらっしゃいませ」と声を掛けられたらホッとする人も少なくないでしょう。人と接する仕事では、ソフトな印象を与えやすい女性はむしろ有利なのです。
また、顧客の好みや何気ない会話の中から相手の心を察してサポートできるのは、細かい気配りができる女性だからこそです。このように、一見男性が多いように思える営業職ですが、実は女性が活躍できるチャンスもたくさんあり、副業といえども、自分の得意分野で活躍できれば業績を伸ばせる可能性は高いのです。
女性が営業をすることのメリット
営業の仕事には女性であることが有利に働くこともあります。例えば、女性には母性本能があります。子供を育てるときに必要な本能ですが、弱い立場の相手を守り育てる力となります。お客様が困っていたらなんとか力になろうと奮起して、最後までお世話をするのは女性の自然な姿です。また、自分の所属する課が難題を抱えてしまった時に全力で仲間を助け、盛り上げようとするのもこの母性本能の働きによるものと考えられます。
さらには、女性ならではの特性として、顧客への細やかな気配りができる点が挙げられます。妻の誕生日の贈り物を購入したお客様に対して「リボンは奥様の好きな色にしよう」「もし電車に乗って帰るなら壊れないように紙袋は二重にしておこう」「顧客名簿に記録して毎年バースデーカードを贈ろう」といった、マニュアルにはない繊細で柔軟性のある対応は女性の得意分野です。
そしてなにより、女性には男性と比べて柔らかい印象の人が多いので、初対面の人とも打ち解けやすいという利点があります。直接顧客と接する仕事はもちろん、取引先を訪問する場合でも、これは大きな武器になります。これらのメリットは個人差もあるので、性別だけで決められることではありませんが、一般的な傾向としては女性が営業をするメリットは確かにあると言えるでしょう。
女性が営業をする際の注意点
女性であることのメリットもありますが、女性だからこそ注意しておくべきこともあります。まず、営業は外回りが多く、定時で帰宅できないことが多い仕事です。独身の人なら全力で頑張れるかもしれませんが、家庭を持った人には難しいことも出てきます。たとえ幼稚園の子供のお迎えの時間が迫っても、顧客との商談の途中で「時間なので帰ります」とは言えないでしょう。
現在は独身でもこれから結婚を考えている人や、結婚して夫や子供がいる人は、営業への転職や副業を考える場合は家事との両立ができるかどうかを検討しておきましょう。出勤や帰宅・休日などが不規則になるので、パートナーと話し合って家事を分担するなど、同居者の理解を得ることが必要です。
そしてもうひとつ、必ず注意しておきたいことがあります。それは女性ゆえの「セクハラ」です。社内でも女性は性的な対象として見られてしまうこともあるので注意が必要になりますが、顧客と接する仕事はさらに誤解をまねくこともあります。大切なお客様だからと思って営業上の心遣いをしたつもりが、個人的な行為だと受け止められてしまうこともあり得ます。セクハラが横行している企業を避けることも重要ですが、顧客との接し方には十分注意しておきましょう。
これらのストレスを溜めないためには、適度に愚痴をこぼして発散させることも大切です。社外に心行くまで愚痴をこぼせる友人を作っておくなど、はけ口を置くことも必要です。
女性に合う営業「リファラル営業」
基本的には性別に関係なく得意分野を発揮できる職場を探せば良いのですが、「リファラル営業」は女性に向いているといわれています。「リファラル営業」とは、分かりやすく言うと「紹介営業」のことです。飛び込みで営業に行くのではなく、知人や顧客などから新たな顧客を紹介してもらって、契約につなげるという営業スタイルを言います。
このリファラル営業の利点は、あらかじめ自社の製品やサービスを買ってくれそうな人を紹介してもらえることで、営業成功率が高まることです。また、自身が持っている見込案件を、特定の企業に紹介するだけで実績に応じた報酬が得られる営業スタイルをさすこともあります。
いずれの場合も、友達との付き合いを大切にする女性にはなじみやすい方法といえます。幅広い交友関係を持っている人ならさらに営業に活かしやすいでしょう。
女性に合う営業「ルート営業」
もうひとつ女性に合う営業スタイルがあります。それは、「ルート営業」です。営業の仕事を探していると求人票などでよく目にする言葉ですが、「ルート営業」とは、すでに契約している顧客を訪問して、要望を聞いたり、必要な提案をしたりする仕事のことです。
文字通り決まったルートを巡回するわけですが、商品の売り上げ状況から、より良い品ぞろえを提案したり、陳列方法を考えたりすることもあります。女性は何気ない雑談の中から相手の困っていることを察知する能力も高いのでルート営業に向いていると言えます。
ただ、ルート営業といっても様々な業種があるので、企業によっては、新規開拓した顧客のお世話係という位置づけのこともあります。また、クレーム処理などもあるので、じっくりと寛容に話を聞く姿勢も必要です。
顧客の状況を理解し、話を聞き、信頼関係を築いていく能力が問われますが、この点、女性は細かい気配りや相手の気持ちを察することが得意なので、能力を活かしやすいでしょう。
女性の特性を活かした営業を選ぼう
なんとなく営業は男性の仕事、というイメージも強いのですが、実は女性が活躍できる場はたくさんあります。営業職でも、それほど女性であることを意識する必要もありません。むしろ女性ならではの特性を活かして顧客の心をつかみ、業績を上げて成功することも可能です。
ただ、時間が不規則になりやすい職業であることは女性にとってはデメリットになります。家庭がある人はパートナーの理解も必要ですし、子供がいる人は幼稚園や学校とどう関わっていくかを考える必要がありそうです。
また、女性ゆえにセクハラには気を付けたいものです。よかれと思って親切にしたことが、行為を抱いていると勘違いされないように言動には注意する必要があります。「営業として働きたい」と思ったら、自分の個性と女性ならではの特性に目を向けて、あなたの能力を存分に発揮できる職場を見つけましょう。