営業ナレッジを共有するメリット
営業ナレッジを共有する事で期待出来るメリットには、主に以下の3点が挙げられます。
自社にとっての恩恵をしっかり把握した上で、ナレッジマネジメントを実践していきましょう。
人材育成の効率化
人材育成を効率化させる事はナレッジマネジメントの主要な目的であり、期待される大きなメリットです。
前述した通り、営業という個人業務が多いスタイルの関係で、営業ナレッジは個々人が知識などを溜め込んだ状態が続きやすくなります。
これをナレッジマネジメントによって共有・循環させる事が出来れば、新人営業マンを1人前に育てるまでの期間を大幅に短縮させられるでしょう。
業務プロセスの改善
ナレッジマネジメントではSECIモデルを循環させる過程で成功例・失敗例など様々な事例を共有するので、不要な業務プロセスを特定する事もできます。
また、各営業マンが抱えていた疑問点の答えが共有されているナレッジの中に存在するケースも多く、わざわざ誰かに質問&相談する必要も少なくなるでしょう。
次第に再現性の高い営業手法が確立され、ムダなアクションが抑えられる事によって、業務プロセス全体の合理化と改善が進んでいきます。
顧客対応力の向上
営業ナレッジの中には各営業マンが担当している顧客情報も含まれています。
顧客との契約内容や進捗情報を共有しておけば、担当者が不在の場合でもスムーズな対応が可能となるでしょう。
顧客満足度が上がるだけでなく、成約までのスピードも早くなるので営業の回転率が向上すると思います。
ナレッジ共有するやり方
ナレッジマネジメントのスタートポイントは、個々人が持っているノウハウの共有です。
そのため、まずはナレッジを共有するための施策を固めておく事が重要になるでしょう。
冒頭で解説しましたが、基本的に営業マンが自ら進んで自分のナレッジを共有することはありません。
なので、会社としてまずやるべきことは、ナレッジ共有することに対するインセンティブを設定することです。
それはシンプルに「お金」という形で還元しても良いと思いますし、昇進昇格の要件にするというやり方もあります。
しかし、一番おすすめのやり方はチーム制を導入することです。
営業という仕事は人によって捉え方が違うかもしれませんが、個人的にはとても楽しい職業だと思っています。
なので、もう少しゲーム感覚を取り入れてみるのが良いと思います。
具体的やり方ですが、例えば営業部をチームA~Cに分けてしまいます。
そのチームごとにノルマを与えて、課長がチーム予算を達成させるためのマネジメントをするのです。
各営業マンごとにノルマを与えるのではなく、チームとして目標達成に挑む仕組みにすれば、そのチーム内で営業ノウハウの共有が始まります。
なぜかと言うと、チームが目標達成できなければ、自分の営業成績にもマイナスに影響してくるからです。
このような仕組みであれば、積極的にチーム内でのノウハウ共有が自然発生してくるので、会社全体の営業力が底上げできるはずです。
このチームを定期的に解体して移籍させれば、さらに営業ナレッジの蓄積が早まると思います。
これはあくまでも一つのやり方でしたが、ポイントは「どうすればトップセールスのノウハウを共有してもらえるか?」という仕組み作りにあります。
一般社員のセールスロジックを共有してもらっても、あまり価値はありません。
重要なのは会社に入るトップセールスのナレッジを蓄積することなのです。
そこに焦点を絞って、トップセールス達がノウハウ共有したくなるような仕組みを用意しましょう。
営業ノウハウをシステム化する
属人的になりがちな営業ノウハウの共有は、ツールを用いてシステム化を進めるのが理想的です。
例えば一般的にナレッジマネジメントで使用されるツールには、顧客関係管理ツールであるCRMが挙げられます。
「カスタマー・リレーションシップ・マネジメント」の略であるこのツールは、顧客の動向・嗜好を記録する能力に長けており、効果的なアプローチを営業チーム全体で共有する事ができます。
しかし、いきなりこうした専門ツールを導入するのはハードルが高く難しいという企業も少なくありません。
その場合にはどのオフィスでも標準とされているMicrosoft ExcelやGoogleドライブのスプレッドシートなどを用いて、知識やノウハウを体系化していくのがおすすめです。
大切なのはノウハウの「再現性」であり、どんな営業パーソンでもその知識を活用して成果が挙げられるようにしていくことです。
特に新規開拓のアプローチにおけるコツ・ノウハウをルール化しておく事は、事業規模の拡大に大きく貢献してくれるはずです。
営業活動で使えるITツールについては、下の記事にまとめているのでぜひご覧ください。