目次
21.AIDMA(アイドマ)の法則
AIDMAの法則は1920年代にサミュエル・ローランド・ホールが提唱した理論です。
その内容とは、消費者が製品サービスを知ってから、購入するまでの行動を説明するもので、5つの心理ステップによって構成されています。
- Attention(注意)
- Interest(関心)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動)
この5つの頭文字をとってAIDMAの法則と名付けられました。
全ての消費行動が1~5の順番で推移していくため、まずはAttention(注意喚起)をいかに多く集めるかが重要なのだと理解できるはずです。
22.サンクコスト効果
現代はサブスクリプションというサービスモデルが多いですが、その継続率を高めるためにサンクコスト効果が活用できます。
サンクコストとは「埋没費用」とも略される言葉で、これまで投資してきた金額の事を意味します。
例えば電子書籍サービスを使っている場合、そのサービスを解約してしまうと「これまで購入した電子書籍が読めなくなる」という制約があったとします。
そうすると消費者はこれまで購入した電子書籍を「サンクコスト」とみなすので、解約するときの障害と考えるのです。
つまりビジネス的な観点で考えた場合、いかに多くのサンクコストを用意するかによって、サービスの解約率が変わってくるということです。
23.バーナム効果
これは詐欺師がよく使っている心理効果ですが、当たり前のことをあたかも自分だけが知っているように心理テクニックのことをいいます。
明るく振る舞っている人に対して「あなたはとても陽気な人ですが、実は非常に繊細で傷つきやすい性格ですね。」と伝えた場合、ほぼ全ての人が「その通りです」と回答するはずです。
しかしよく考えてみると、当たり前のことを言っているだけですよね。
実はその通りで、万人に対して当てはまるような言葉を投げかけることで、相手の信頼感を得る心理テクニックが『バーナム効果』なのです。
このような伝え方をされた人は「この人は私のことを理解している」と勘違いするので、相手に信頼感を抱いてしまいます。
バーナム効果はビジネスだけでなく、合コンや異業種交流会など、初対面の相手に対して使うのが効果的だと言われています。
24.ラベリング効果
とあるベンチャー企業の経営者がいたとして、その人を信頼する為には『何か材料』があると助かります。
例えばその経営者から「実はこの前、○○新聞社が発表したアジアを代表するベンチャー経営者100人に選ばれたんです」と聞けば、なんとなく凄そうな感じがしますよね。
このように権威のある第三者や、専門家から評価されると、人間はそれをバイアスとして引きずってしまう傾向があるのです。
25.ミラーリングとペーシング
この二つは「人間は自分と似ている人を信頼する」という法則に基づいた心理テクニックです。
ミラーリングは相手と同じ行動をする心理テクニックのことを言います。
例えば、相手が水を飲めば自分も水を飲む、相手が腕を組めば自分も腕を組む、などのボディランゲージをそっくり真似してみましょう。
そしてペーシングとは、相手のペースに合わせることで、信頼感を得る心理テクニックのことを指します。
相手の話す速度に自分も合わせることで、相手は心地よく感じて、自分に対して親近感を持ってくれるのです。
26.熟知性の法則
この法則は接触回数を増やした場合、自分に対する好感度も増していくという理論で、「ザイアンス効果」とか「ザイアンスの法則」と呼ばれることもあります。
これは当たり前の話のように聞こえますが「単純接触の法則」とも呼ばれており、きちんとした心理テクニックなのです。
そう考えた場合、頻繁にお客様へ会いに行ったり、定期的に会食することには、一定の合理性があることに気づくはずです。
この法則はメールや手紙にも適用されるので、ぜひ活用してみてください。
27.バックトラッキング
これは一般的に「オウム返し」と呼ばれているものです。
お客様が「明日は寒いから嫌だね」と言ったら「そうですね寒いのは嫌ですね」と返答して、「見積書はいつ届きますか?」と聞かれたら「見積書は今準備しておりますので、もう少々お待ちください。」と答えるようなことです。
これをやることで「あなたの話を聞いています」という意思表示になるので、お客様との信頼関係が深まっていくのです。
28.忘却曲線の法則
この法則に基づくと、今日覚えたことの72%は明日忘れてしまうそうです。
実は記憶を定着させるためにはある程度のコツがあるそうです。
人間の記憶には「短期記憶」と「長期記憶」の2種類がありますが、繰り返し学習する長期記憶の方が良いことは誰でも知ってますよね。
親から「予習&復習をしなさい」と言われるのはそのためです。
しかしなぜ繰り返しの学習(=長期記憶)が推奨されているのかと言えば、この二つは記憶される場所が違うからです。
短期記憶は大脳辺縁系内にある『海馬』が担当していますが、長期記憶は大脳皮質内の『側頭葉』が司っています。
なので海馬から側頭葉に移し替えたものが「本当の記憶」として定着するのです。
もし物覚えの悪い部下がいた場合、短期記憶を海馬に格納しているだけなので、それを側頭葉に定着させるように、繰り返し学習するやり方を教えるのが良いでしょう。
29.アンカリング効果
これはすぐに営業活動へ応用できる心理テクニックです。
人間は知らないものを聞いた時、判断基準がないので決断ができなくなります。
例えば「モロッコ産のオカリナ」という商材があったとして、その価格が10万円だと提示されたら、その金額が高いのか、妥当なのか、安いのか判断できる人は少ないでしょう。
妥当性を判断できないということは、購買する意思決定もできないということです。
しかし一般的なオカリナの価格が5千円前後だと知っていれば、10万円が高いというのはわかりますよね。
日本初の製品サービスや、競合他社が少ない製品サービスの場合、このアンカリング効果を使うことで受注数を伸ばせるはずです。
30.カラーバス効果
カラーバス効果は、普段から意識しているモノを取り入れてしまう心理効果のことを言います。
例えば、ある芸能人が好きだった場合、その芸能人にまつわる情報ほど目についてしまう現象のことを言います。
これは人間が潜在意識の中に「特定の出来事を記憶しておく」という機能を持っていることに由来します。
麻雀の裏プロとして有名な桜井章一は、主催する雀鬼会で「2秒以内に打牌する」というルールを課しています。
これは直感力を養う訓練だと言えますが、これもカラーバス効果の一種だと思います。
桜井章一の名言はリーダーが学ぶべき言葉なので、ぜひご覧ください。