目次
11.スティンザーの三原則
これはスティンザーの法則とも呼ばれていますが、三つの法則から成り立っています。
- 反対意見を持っている人は相手の正面に座る傾向がある。
- 賛成意見の次には反対意見が出やすい。
- 議長役のリーダーシップが弱いと正面に座った人との私語が多くなり、強すぎると隣の人とのひそひそ話が増える。
人間にはこのような性質があるので、これを逆手に利用するのが良いと言われています。
例えば会議で正面に座る人を自分の味方にするだけで、自分の意見が通しやすくなるでしょう。
また、自分の発言の後に自分の味方からちょっとした反対意見を言ってもらえば、その後に新たな反対意見が出づらくなるのです。
これはビジネスパーソンが知っておくべき知識だと思います。
12.エメットの法則
エメットの法則は次の二つから成り立っています。
- 仕事を先延ばしにすることは、片付けることより倍の時間とエネルギーを要する。
- ダメな人の原因は、完璧さに対するこだわりがある。
このことから理解できるのは「完成度は70%程度でもいいので、やりたくない仕事ほど先に終わらせるべき」ということだと思います。
13.コミットメントと一貫性
これは一度決めた事を覆しづらい心理効果のことです。
例えば会社内で「A」という意見と「B」という意見が対立していた場合、どちらか一方の意見を支持することになると思います。
そうなった場合、一度支持した意見を人間は変えづらくなってしまうのです。
これを逆手にとると、周りの人にコミットメントしたことは変えづらいので、結果的に達成しやすくなるということです。
- 今月は売り上げノルマを100%達成する
- 3年以内に独立起業する
- 今回のプロジェクトは必ず着地させる
どんなコミットメントでも良いので、積極的に外部発信することは、自分にとってもプラスになるのです。
14.ピークエンドの法則
この法則は、どんなに苦痛を伴う作業だったとしても、その終了時に快楽があると、またやってもいいと考えてしまう心理効果のことです。
例えば友人に引っ越しの手伝いをお願いして、その終わりに食事をご馳走すると、終了時の記憶に影響されるので「また引っ越しがあれば手伝うよ」と言ってもらえるのです。
これはビジネスでも使える心理効果だと思います。
大変な業務を部下にお願いして、それが終わったタイミングで食事に連れて行けば、きっとピークエンドの効果が発揮され、また前向きに仕事へ取り組んでくれることでしょう。
他にも、自分に対してご褒美を提供するというやり方もあります。
大変な仕事が終えたタイミングで「自分へのご褒美」として、高級ブランドのバッグを購入したりするのです。
これは自分のモチベーションアップにつながるので、ピークエンドの法則が発動するはずです。
15.パレートの法則
パレートの法則は「80:20の法則」としても有名ですよね。
「評価の80%は20%の重要な業務で決まる」「1日の中で価値ある仕事は20%しかなく、残りの80%は価値のない仕事である」など、パレートの法則が適用されている機会は多いと思います。
この法則をビジネスに応用するためには、1日のうち20%は業務に集中する時間を設けることが良いでしょう。
1日8時間勤務だった場合、1.5時間~2時間は「集中タイム」と称して、全社員が自分の業務に集中します。
例えばテレアポに集中するとか、後追い電話に集中するなど、何かに集中する時間を設ければ、きっとパレート効果が発揮されるはずです。
16.ハインリッヒの法則
これは「ヒヤリハットの法則」とも呼ばれていますが、事故や災害が起こる確率についての法則です。
この法則に基づくと、1件の重大事故が起こった背景には、29件の軽い事故が起こっており、300件のうっかりミスが起こっているということになります。
この割合は「1:29:300」ですが、多くの企業で認知されています。
経営者(事業責任者)は1件の大きなクレームが発生した背景には、29件の軽いクレームが起こっており、300件のうっかりミスが起こっていると理解しておきましょう。
17.予言自己成就の法則
ワタミ創業者である渡邉 美樹さんは、「夢に日付を入れなさい」と語っています。
このような言葉を聞いた事あるビジネスパーソンは多いと思いますが、実は心理学に基づいた話なのです。
人間には「自分の願望通りに行動する」という習性があります。
さらに紙に書くことで、そのバイアスを強化することもできるのです。
先ほど「コミットメントと一貫性」についても解説しましたが、夢に日付を入れることは同じようなロジックだと思います。
18.プロスペクト理論
これは営業マンが絶対に覚えておくべき心理テクニックで、ノーベル経済学賞も受賞した法則なのです。
プロスペクト理論とは「損した記憶」は「得した記憶」に勝つという法則です。
例えば、今のあなたを形成する上で、どのような出来事が過去にあったでしょうか?
それはある意味で「今の自分を構成する上で貴重な経験」だったはずですが、なかなか思い出せませんよね。
しかし「異性に告白しなかった後悔」や「有望株を買い損なった後悔」など、損した記憶は鮮明に覚えているはずです。
このように人間は『損した記憶』の方を鮮明に覚えてしまう傾向があります。
それを逆手にとると、「今買わないと損するかもしれない…」という恐怖心は購買意欲をそそるので、きっと営業活動に応用できるはずです。
19.フレーミング効果
これは意思決定する時に、質問のされ方によって答えが変わってしまう法則のことを言います。
例えば以下のような質問が代表的です。
※前提:あなたが毎月30万円の給料をもらっていると仮定した場合
- 毎月9万円を貯金してみましょう。
- 給料の7割で生活してみましょう。
果たしてどちらの方が現実味ありそうでしょうか?
勘がいい人は気付いたと思いますが、実はこの質問は両方とも同じことを言っているのです。
しかし伝え方によって、聞き手のニュアンスは全く違いますよね。
実際にこの質問では、多くの人が「②給料の7割で生活してみましょう」の方が現実味があると答えます。
このように、同じ内容であったとしても、言葉の選び方や伝え方によって合意形成できる確率は変わってくるのです。
20.ランチェスターの法則
これは個人的に大好きな法則なのですが、1914年にイギリスのフレデリック・W・ランチェスターが考案したものです。
戦時中に考えられた戦争理論なので、現代では関係ないと思われがちですが、実際にはそんなことありません。
実はランチェスター法則は「弱者が強者に勝つ法則」と言われており、「小さなベンチャー企業がどうすれば大手企業に勝てるのか?」という理論に通ずるのです。
実際に弊社(WEBX Inc.)はランチェスターの法則を取り入れてサービスローンチし、現在に至ります。
つまり自分たちで効果を実証済みなので、弱者逆転の法則であるランチェスター戦略が大好きなのです。
もし内容が気になる人は、市販されている書籍を読んでみてください。