ディスプレイやPOPを活用する
お客様の購買意欲を最大化させるためには、ディスプレイやPOP、什器のレイアウトも考えなければいけません。
例えば、入り口すぐの空間は「受け入れ空間」と呼ばれているので、何も置かずに見通しを良くしておかなければいけません。
それをすることによって、お客様は店舗に出入りしやすくなるので、マーケティング(=集客)に役立つのです。
さらに、什器は入り口から奥に向かって段々と高くしていくことがセオリーになります。
そうすると店内の見通しが良いので、お客様は安心して奥の方まで回遊していけるのです。
とはいっても、ドンキホーテやカルディなど、あえて店舗の奥を見せないレイアウトにしているお店も散見されます。
なので、あくまでもセオリー程度に理解しておきましょう。
ディスプレイで誘導する
いきなりですが、「ローボールテクニック」をご存知でしょうか?
ローボールテクニックとは、野球を題材にした言葉なのですが、低い球から徐々に高い球に変化させていくセールステクニックのことを言います。
つまり、最初の条件から少しづつ変化させて、最終的には大きな要求に承諾してもらうセールス手法なのです。
例えばローボールテクニックには以下のような使い方があります。
店頭に「最大70%OFF」という看板を掲げておき、最も売れ筋でデザインの良い服をショーウィンドウに飾っておきます。
その情報を見たお客様は、てっきりショーウィンドウに飾られた服が70%OFFだと思い込み、店舗内に入ってきます。
しかし実際には、ショーウィンドウに飾られた服は定価販売されており、70%OFFの服は店内の一部しかないのです。
このような例は、典型的なローボールテクニックだと言えます。
まずは入店してもらうために「最大70%OFF」というローボールを投げておき、実際に入店したお客様に対しては「定価」というハイボールを提示するのです。
これと同じことがスーパーマーケットでも行われています。
例えばお酒売り場の入り口に「特売品」として1缶88円の缶チューハイを平積みしておき、それに興味を持ったお客様がアルコール売り場に入ってくるという仕掛けも、典型的なローボールテクニックだと言えるでしょう。
人間の心理とは面白いもので、自分にとってのメリットを一つ捉えてしまうと、それを都合よく解釈して「他のお酒も安いのではないか?」と勘違いしてしまうのです。
商売人であれば、このような消費者心理をうまく活用しましょう。
POPの使い方とは?
POPは優秀なセールスマンです。
POPは、24時間365日セールスしてくれるので、絶対に売り場へ設置した方が良いと思います。
しかし「字が下手だからPOPは無理!」と考えている人が多いと聞きますが、実は字が下手でも構わないのです。
誰でもゆっくり丁寧に書けば、クセがなく、それなりに読める字がきっと書けるはずです。
POPを設置する目的とは、お客様の疑問を解決する為です。
つまり、リンゴを買おうとしたお客様に対して、
- このリンゴは糖度16度です!⇒とても甘いリンゴです。
- このリンゴは青森県産です!⇒安心の国産リンゴです。
などの情報を届けるのがPOPの役割なのです。
そのような観点で考えた場合、「字が上手いから商品が売れる」というわけではなく、「届ける情報に価値があるから商品が売れる」のだと理解できます。
なので、見た目ではその商品の価値が伝わりにくいモノほど、POPとの相性が良いということになります。
ほとんどのお客様は、自分自身のニーズ(=潜在ニーズ)に気付いていません。
なので、そのニーズを掘り起こしてあげるようなPOPであれば、セールスが最大化されるはずです。
リピーターを獲得する
マーケティングとセールスが一体化すれば、購買活動が最大化されるはずです。
次に待ち受ける試練は「リピーターの獲得」です。
新規のお客様ばかりを集めるのは自転車操業なので、いつまでたっても事業は軌道に乗って行きません。
なので、一度来たお客様にリピートしてもらって、顧客層を厚くしていかなければいけません。
これはまた別のノウハウが必要になる話なので、詳しくは下の記事をご覧ください。
まとめ
ここまで解説してきたように、店舗運営には「マーケティング×セールス」が求められます。
良い商品サービスを提供すれば、お客様が勝手に来てくれると思うのは間違いなのです。
逆の言い方をしてしまえば、普通の商品サービスであれば、後はマーケティング次第で繁盛店にすることができます。
なので、店舗運営をする場合には絶対にマーケティング知識が欠かせません。
もしマーケティング知識に不安がある人は、自分なりに本を読んだり努力してみましょう。
マーケティングの二大巨頭と言われているのは、フィリップ・コトラーとマイケル・ポーターです。
この二人の書籍は難しいですが、簡単に噛み砕いて解説する本もあるので、まずはその辺りから触れてみてください。