明主に忠有るは珍しからず、暗主に忠なるこそ真忠なれ。
吉田松陰の時代は、生まれた土地が生涯の地であり、藩主を選ぶ権利などありませんでした。
なので、中には暗愚な主君もいたはずです。
しかしそのような逆境に動じず、自分の主君に対して忠義を貫くように諭したのです。
一日に一事を記せば、一年中に三百六十事を得ん。
一夜に一時を怠らば、百歳の間三万六千時を失はん。
この言葉は「1日に何か一つを学べば、一年で360の知識を得ることができる。一夜で1時間サボれば、100歳まで生きたとして3万6千時間も失う」という意味の名言です。
3万6千時間とは「約四年間」なので、塵も積もれば山となるのです。
サボらずおごらず努力し続けましょう!
天下は天朝の天下にして、乃ち天下の天下なり、幕府の私有に非ず。
この言葉は「天下は天皇のもので、幕府のものではない」という意味の名言です。
ペリーの黒船来航に衝撃を受けた吉田松陰は、尊皇倒幕の道を選びます。
これは松陰の立場を明確にする、歴史的にも重要な言葉だと言われています。
征夷は天下の賊なり。
今措きて打たざれば、天下万民其れ吾れを何とか謂はん。
幕府がアメリカと日米修好通商条約を結んだことに対して、吉田松陰は激怒します。
それをきっかけにして「革命家 吉田松陰」となり、過激な道に進んでいったのです。
身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留め置かまし大和魂。
この言葉は吉田松陰が死刑になる前日に書いた一文なので、ある意味では松陰の遺言とも言えます。
この言葉の意味は「私が処刑されて、この体は武蔵の野辺に朽ち果てようとも忘れないで欲しい、僕が抱き続ける日本人としての確固たる精神である”大和魂”を」ということです。
日本の将来を案じ、日本という国に対して至誠を尽くした吉田松陰が残した名言です。
心あれや人の母たる人達よかからん事は武士の常
これは吉田松陰が妹たちに送った言葉です。
自分は死刑になるという状態でしたが、「不幸は突然やってくるので、武士の妻であるなら覚悟しておきなさい」と諭したのです。
身内に対する松陰の優しさが感じられる名言だと思います。
まとめ
吉田松陰は「人を動かす天才」と賞賛されていますが、その生涯はたった30年という短いものでした。
たくさんの名言を残していますが、松下村塾で教えたのもたった2年9ヶ月に過ぎないのです。
短い人生でしたが、それでも幕末を代表する偉人として、長州藩を引っ張った知識人として、吉田松陰が残した名言は今でも語り継がれています。
吉田松陰という人物がいたからこそ、明治維新という大事が成し遂げられたのでしょう。
人生に役立つ言葉ばかりなので、幕末の名言もぜひご覧ください。