地域が持つ特性を的確に捉え、作り手の思いや住み手の思いなど、様々な人々の思いを一つに重ねることで初めて、「そこにしかできない建築」が生まれる。
これは安藤忠雄が手掛ける『建築に求めるテーマ』です。
建築は”不動産”なので、その場所の環境、利用者、近隣住民など、様々なステークホルダーがいますが、それは場所によって変化します。
それらを加味していくと、全ての建築物が『唯一無二の存在』になるそうです。
文筆家が膨大な量の本を読むのと同じように、建築家は空間を身体で体験する必要がある。
安藤忠雄は高校生の頃から、京都や奈良の建築を見て歩いていたそうです。
それらを巡ることで、生の迫力ある空間を体験することができ、建築が持つ力を再認識できたそうです。
建築には合理性と技術のほかに即興性も必要である。
安藤忠雄はモダンジャズが流れるジャズ喫茶から”即興性”というインスピレーションを得て、「これまでにない建築を作りたい」と思ったそうです。
色々な要素(=点)が連なって安藤建築(=線)になっているということですね。
気力、集中力、目的意識。
強い思いを持つことが、自らに課したハードルを越えさせる。
安藤忠雄は一級建築士どころか二級建築士の資格も持っていませんでした。
なので昼間にインテリア設計のアルバイトをしながら資格の勉強をしようと試みましたが、フルタイムで働いていると夜勉強する余裕がないので、昼食の時間を削って、土日も勉強に当てて、一級・二級ともに一発合格を果たしたそうです。
この経験から「強い思いがあれば、何事も成し遂げられる」ことを学んだそうです。
一人旅の道中では、考えるしかない。
逃げることができない。
お金もない、言葉も通じない。
毎日が不安と緊張の連続。
しかしそれは、人生も同じことなのだと思う。
安藤忠雄は世界の建築を一人で見て回ったそうですが、それは自分自身と対話する時間にもなったので、とても有意義だったと語っています。
数々の西洋建築を見て歩くうち、建築とは、人間が集まって語り合う場を作る行為に他ならない、と気づいた。
ヨーロッパを旅行した時、建物は集まってくる人と人との心をつなぎ、感動を刻み込むことに気づき、それこそが『建築の真の価値』だと強く認識したそうです。
私は、当時から仕事は自分で作らなければならないと考えていた。
これは潜在ニーズについて語った名言ですね。
もし空いた土地があれば、土地所有者に「こういう建築を建てないか?」とプレゼンしていたそうです。
安藤忠雄はクリエイターでありながら営業マンでもあるということですね。
事務所には当時から今も変わらないルールがある。
それは製図道具や筆記用具などは全てスタッフ持ちとすること。
大工ははかんなやのこぎりなどを自分で購入し、美容師はハサミを自分で用意しますよね。
それと同じように、職人である建築士も『自分の仕事道具は自分で揃える』という部分を徹底しているそうです。
人と対峙することを厭う人間が、「人々が集まり対話する場」を作り出すことなど可能だろう。
前述した『建築の真の価値』を実現するためには、その建築家自身が進んでコミュニケーションできる人でなければいけません。
もし仮に人とのコミュニケーションを嫌う建築家であれば、誰も寄せ付けないような建築を作ってしまうからです。
これは建築に限らず、全てのビジネスに共通する考え方だと思うので、ここで覚えておきましょう!
音楽や絵画、演劇、文学など、様々な芸術分野のことに自分から興味を持ち、積極的に学ぼうとする姿勢が肝心だ。
建築以外のことも、全て建築に活かせると安藤忠雄は考えているのですが、そのやり方は詰め込み教育ではなく、自発的な行動でなければならないと語っています。
各分野のプロフェッショナルが残した名言集は下の記事をご覧ください。