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8バーナム効果
バーナム効果は、アメリカの実業家として知られた「P・T・バーナム」が由来となった心理効果です。
その内容とは、誰でも当てはまるような一般的な話を、自分だけに当てはまる情報として受け取ってしまう現象のことを言います。
これだとわかりにくいので例をご紹介しましょう。
例えばあなたが占い師のもとに行ったとします。
その占い師から以下のように言われたらどう感じるでしょうか?
- あなたは努力家ですが、時々サボる癖がありますね。
- あなたは他人を思いやる気持ちが強いですが、一番大事なのは自分自身だと思っていますね。
- 一目惚れすることはありますが、その恋愛はなかなか成就しませんね。
自分のことを分析した言葉のように見えますが、よく見てみると、とても一般的なことを言っていることが分かるはずです。
つまり、万人に当てはまるようなことばかりなのです。
これは「コールドリーディング」と言われることもありますが、バーナム効果は霊能力者や占い師、おみくじなどでも使われている心理効果です。
当たり前のことなのに、なぜか説得力があり、相手が自分のことを理解してくれていると勘違いしてしまうバーナム効果は、他人からの信頼を集めるために使える心理テクニックなのです。
9:スリーパーエフェクト(仮眠効果)
スリーパーエフェクトとは、正確な情報を相手に与えておき、その相手を放置することで自分に対する信頼を高める心理効果です。
例えば相見積もりしている新規見込み客に対して提案する場合、自社サービスや競合サービスについて正直に話しておきます。
そうしたら、その見込み顧客は一旦放置するのです。
お客様は相見積もりをしているので、その後も様々な角度から情報収集し続けるはずです。
すると不思議なことに、最初はあなたの提案を「ふ~ん、そうなんだ」くらいにしか聞いていませんでしたが、情報を集めるにつれて「あの営業マンの言っていたことは正しかったんだな」と気づき始めます。
するとあなたに対する信頼感が勝手に増していき、結果的に受注へと至るのです。
これはビジネスだけでなく恋愛にも使える心理テクニックです。
とにかく落とすのが難しい相手であれば、一旦放置してみるのも良いかもしれません。
10:クライマックス法&アンチクライマックス法
クライマックス法はプレゼンで使える心理テクニックです。
どういうやり方なのかと言えば、最初に説明をしてから、最後に結論を話すプレゼン方法のことを言います。
それと真逆のやり方が、アンチクライマックス法です。
アンチクライマックス法では、最初に結論を話してから、その後に説明をしていくのです。
この二つをきちんと使い分けているビジネスパーソンは意外と少ないはずです。
「どのように使い分ければ良いのか?」というポイントは以下の通りです。
- クライマックス法:あなたの話に興味がある人にプレゼンする場合
- アンチクライマックス法:あなたの話に興味がない人にプレゼンする場合
つまり、相手に効くスタンスがあるかないかでプレゼン手法が分かれるのです。
これはビジネスパーソンが知っておくべき知識なので、ここで押さえておきましょう。
11:コントラスト効果
これはビジネスにおいて常套手段とも言える心理テクニックです。
例えば、あなたが幼い子供のために英語の学習教材を探しているとします。
その時に見かけた学習教材が3万円だった場合、ちょっと高いと感じるはずです。
しかし、最初に10万円の学習教材を提案されて、それを断った後に「実はもう少し安い教材があるんです」と言われて3万円の学習教材を提案されたらどうでしょうか?
最初は「3万円なんて高いよ!」と思っていた人でも、10万円と比較した場合「割安かも…」という印象に変化したはずです。
このテクニックは訪問販売の詐欺師が使っている心理術でもあります。
最初に50万円の羽毛布団を提案しておいて、それを断ったタイミングで「実は5万円の安い羽毛布団もあるんです」と提案するのです。
しかしよく考えてみると、5万円の羽毛布団は高級品なので、そもそもそれを売るために50万円の羽毛布団を提案していることに気づくはずです。
この効果は結婚式場でもよく使われている心理テクニックだと思います。
結婚式の予算は300万円とか500万円ですよね。
その内訳を見てみると、お祝いの樽酒:30万円、ウェディングケーキ:35万円、シャンパンタワー20万円、カメラマンの撮影15万円など、どれも非常に高額です。
その中に「テーブルキャンドル:1万円」というのが紛れていると「これは割安だな」と感じてしまうのです。
しかし実際には「テーブルキャンドル:1万円」はありえないぐらい高いですよね。
コントラスト効果は、お客様に対して割安感を演出するのに使える心理術なので、営業パーソンは覚えておきましょう。
12:ホーソン効果
ホーソン効果は、アメリカのホーソン工場で実験されたのが名前の由来となります。
それはいたってシンプルな心理効果で、従業員を褒めることで生産性を向上させるというものです。
やり方のコツは、ちょっとしたことであっても少し大げさに褒めるというだけです。
しかし、あまり大げさに褒め過ぎると、相手はバカにされたように感じるので逆効果になってしまいます。
それさえ注意すれば、とても簡単にホーソン効果は活用できるはずです。
なので、部下を持っているビジネスパーソンはホーソン効果をうまく活用してみましょう。
13:ハロー効果
素敵なスーツをビシッと着こなしている人は優秀そうに見えますよね。
このように目立った特徴に引きずられて他の特徴についての評価が変わったり、地位や肩書などによって相手の評価が変化する現象を「ハロー効果」と呼んでいます。
これはビジネスパーソンにとって、非常に利用しやすい心理効果なので、ぜひ取り入れたほうが良いでしょう。
基本的には上質なスーツを着こなして、髪型をセットし、靴の磨き上げておけば、お客様からの好感度がアップするはずです。
14:フット・イン・ザ・ドア法
フット・イン・ザ・ドアは、多くのセールスパーソンが使っている心理テクニックだと思います。
フット・イン・ザ・ドアは、一度相手が承諾した場合、その後に断りにくくなる人間心理を利用したテクニックです。
つまり、相手に「YES(はい)」と言わせる心理テクニックなのです。
例えば、友人にジュースを奢ってもらいたい場合、いきなり「ジュースを奢ってよ」と言っても難しいと思います。
その場合には、友人がジュースを買いに行くタイミングで「俺にもジュースを買ってきてよ」とお願いしてみるのです。
そこで承諾が取れれば、すかさず「お願いだからジュース奢ってくれない?」と依頼してみるのです。
すると不思議なことに、高確率でジュースを奢ってくれるのです。
一番最初から「ジュースを奢ってよ」と依頼しても、ほとんどのケースで断られることでしょう。
他にも、まずはお客様に簡単なアンケートをお願いして、それに回答してもらいます。
その後に「お客様の課題が解決できる無料セミナーがあるので参加しませんか?」と誘ってみるのです。
そのセミナーに参加したお客様に対して、高額商品を提案するやり方も代表的なフット・イン・ザ・ドア・テクニックだと思います。
フット・イン・ザ・ドアを使う場合には、まず最初に断りにくい小さな要求をして、その要求を徐々に大きくしていき、「コミットメント」と呼ばれる心理メカニズムを活用するのです。
これは様々なシチュエーションで使える心理術なので、ビジネスパーソンは是非活用してみましょう。