企業のトップには、悪い情報がなかなか入らないものです。
このようになってしまうロジックは以下のような流れで発生します。
- 営業マンが客先でのトラブルを課長に報告
- 課長は評価を下げたくないので、「些細なトラブルがあった」と小さく部長に報告
- 部長は些細なトラブルなので、担当役員には報告せず
- 担当役員は「全て順調です」と社長に報告
このようなリレーでトラブルを放置して、重大事故へとつながってしまうのです。
「私は知らなくてもいい。各々が持ち場でしっかりやってくれているはずだ。」
このくらいの気持ちの余裕が持てると、熟練経営者と言えそうです。
なんでもかんでも現場に首を突っ込んだり、粗探しをするような経営者は、ただ仕事の邪魔をしているだけです。
もっと社員を信頼するべきだと思いますが、それが出来ないということは仕組みが不完全なのでしょう。
社員に頼り切るのは属人的なので、それを仕組みでカバーすることをオススメします。
会社のトップは極めて孤独であると思います。
社員からは常にリーダーシップを求められ、社外の人と交流しても迂闊に悩みを打ち明けることができません。
やはり経営の意思決定は社長自らがしなければいけないのです。
社長のお墨付きが欲しい幹部や社員の場合は要注意です。
部下から「このような案件があるのですが、どうしましょうか?」と聞かれたとします。
それに対してうっかり「それは面白そうだからやってみたら。」と言ってしまうと、会社内では「社長命令の案件」として伝わってしまいます。
もし失敗した場合には、社長の責任にすり替わる可能性もあります。
お墨付きを求める社員には注意しましょう。
攻める場合には社長が「突撃」と号令をかけて、社員を引き連れて攻めていくことが成功への理想型だと思います。
大事な局面では個別具体的な指示を出しましょう。
小さい会社ほどリーダーシップが求められるはずです。
リーダーシップについて学びたい場合には、下の記事を参考にしてください。
トップはつらい時に指揮をとる人、このように表現できるかもしれません。
逆に好景気の場合、リーダーは肝心なところさえ押さえていれば、あとは寝ていても良いと宮内義彦は語っています。
気をつけないといけないことは、ライバルを”仮想敵”にすることです。
「ライバルに勝つこと=事業が成長すること」という方程式は、必ずしも一致しません。
宮内義彦は「仮にリース事業で負けることがあっても、当社は他社がやっていないことで成長している」という自負があったので、特に焦ることはなかったそうです。
ライバルばかりに目がいくと目的がズレてしまうので注意しましょう。
他社をベンチマークにすると、面白い会社が作れなくなる。
競合他社を基準にするのではなく、顧客目線で考えるべきだと思います。
- このサービスがあれば喜ばれる
- このような製品は顧客ニーズがある
自社の製品サービスが社会に貢献して、世の中に受け入れられることが大切なのです。
役職員の結束を精神面で築くことができれば、職場の雰囲気は大きく変化するはずです。
現代は多様性が重要視される時代なので、気軽に飲みニケーションできませんよね。
物理的に集まることが難しいので、そんな時には精神面での結束を重視しましょう。
経営の本質は、人と人とのつながりにある。
これは小手先の「組織論」や「戦略論」に惑わされないことを諭した名言です。
会社を動かしているのは”人”なので、それだけは忘れないようにしましょう。