ヤマト運輸では、ドライバーのことを「セールスドライバー」と呼んでいる。
なぜこのように言われるのかというと、ただ荷物を運ぶだけではなく、営業活動や集金、コンピューター入力、その他経理的な処理など、幅広い業務をこなすからです。
小倉昌男は「ヤマト運輸でドライバーの仕事しようと思ったら、商店主のごとく自分で物事を判断する能力が求められる」と語っています。
どんなジャンルの職業にも共通して言えることだが、会社に所属しているからといって、会社から給料をもらっていると考えるべきではない。
給料はお客様が支払った料金から必要経費を差し引いて分配されます。
そう考えた場合、実質的に給料を支払っているのは『お客様』ですよね。
このような感覚がないサラリーマンは考えを改めるべきでしょう。
たとえあなたが今、好きではない仕事、意に染まない仕事をしていたとしても、ただ不満を感じながら生活するのは建設的ではない。
これは仕事の取り組み方に関する名言です。
サラリーマンであれば、自分の望まない部署に配属されるケースもあるでしょう。
それでも、目標達成するために知恵を絞ったり、試行錯誤すれば「自分らしさ」が発揮できると小倉昌男は語っています。
つまり、自分の取り組み方次第で有益にもなるし、無益にもなるということです。
今担当している仕事の意味や自分自身の役割を、しっかりと自分の頭で考えてみてほしい。
大企業には役割分担があるので、自分の居場所だけで仕事を見がちですよね。
全体の動きを把握することは求められないので、とにかく自分の役割をこなせばOKというロジックになってしまうのです。
そうすると「自分は一体何をやっているのか?」と先が見えなくなってきます。
このような状況は決して良くないので、仕事全体の流れを把握するように努めましょう。
いくら都合が悪いからといって隠し事をしても、いつか必ずバレてしまう。
ビジネスでの隠し事はご法度です。
最初から正直に報告して、悪いことは早めに修正するようにしましょう。
たとえ他社への苦情であっても、余所事だと思ったりせず、謙虚に受け止めることが大切だ。
同業他社の失態や不祥事が明るみになった時、「ウチの会社じゃなくて良かった」と思うビジネスパーソンは二流です。
一流のビジネスパーソンは「次はウチの会社かもしれない…」と危機感を募らせるのです。
決して他人事だと思わないようにしましょう。
何らかの提案や新しいアイデアを検討するとき、「Yes,but…」で考えるか、「No,but…」で考えるかによって、後々得られる結果に大きな隔たりがあるのではないだろうか。
これは宅急便という『全く新しいビジネスモデル』を創造した小倉昌男らしい名言ですよね。
何事も前向きに取り組まなければ、ビジネスシードを育てることはできません。
経営者や事業責任者は肝に銘じておきましょう。
現場第一主義
ヤマト運輸は組織が大きくなるにつれ、現場を知らない事務職が多くなったそうです。
その結果、不必要な業務が出てきたり、現場と本社の間で意識の乖離が発生したそうです。
先ほどもお伝えした通り、給料はお客様が支払うものなので、一番重要なのは『現場』ということになります。
中央集権的な組織になっている場合には、今一度「現場第一主義」に戻ることを小倉昌男は推奨しています。
「大企業病」は、総じてお客様のためにならない。
- 何でも上司の決裁が必要になる
- 現場が臨機応変に対応できない
- 他人の仕事には無関心
このような状態を「大企業病」と呼んでいます。
大企業病はお客様目線ではないので、お客様にとってデメリットしかないのです。
ヤマト運輸には「ヤマトは我なり」という社訓がある。
この社訓は1931年に制定された「自分とヤマトとは一体であるという意識を持とう」という意味の言葉です。
「自分は雇われているだけ」という感覚では会社に一体感が出ませんし、勤めている社員も不幸ですよね。
この社訓の本質は「仕事を楽しもう!」という意味なのだと思います。