ファシリテーションのコツ

ファシリテーションを成功させるためには、ある程度のコツを身につけておかなければいけません。

ファシリテーションする場面というのは会議や講演会などですが、まずは参加者全員の意見を引き出して『横の広がり』を意識しなければいけません。

そして目的にそぐわない意見が出た場合、その意見を制して会議全体をコントロールしていくことも必要です。

FA
それでは会議を開始したいと思いますが、本日の議題は社員旅行の行き先です。本日集まっていただいたメンバーで社員旅行の行き先を決めますので、この会議の目的は「行き先の決定」と「社員旅行の役割分担」となります。それでは、まず行き先の候補を出して頂きたいので、一人ずつ順番に発言してください。
社員A
私は温泉がいいと思います。個人的には硫黄泉が好きなので草津温泉なんかいいですね。
社員B
テーマパークなんてどうでしょうか?例えばディズニーランドならみんな喜ぶと思います。
社員C
いやいや、社長はもう60歳を過ぎているんだよ。そんな人がディズニーランドで楽しめるわけないじゃん。そもそも…
FA
ちょっと待ってくださいCさん、今はアイディア出しなので、とりあえず候補地をたくさん出してみましょう。Cさんの意見を聞かせてください。

このように意見出しの場面では、様々な意見が様々な角度から出るように、ファシリテーターが自由な発言を促していきます。

もしそれらの意見に反論したり、批判するような人がいればファシリテーターがマネジメントするのです。

年下(又は格下)から発言させる

会議で活発な意見が出なければ結論はまとまりません。

しかし日本人は欧米式のディベートに慣れていないため、なかなか自分の意見を言えない人が多いように感じます。

そんな時、ファシリテーターが日本式のアレンジをしてあげることも大切でしょう。

例えば一番最初に年下の人を指名したり、役職が下の人から意見させるのです。

一番最初に社長や部長などの重役が意見すると、一般職の人はそれに対しての反対意見を言いづらくなってしまいます。

なので、最初に一般職から自由な意見を述べてもらい、その後に重役が意見を述べる…、というのが現実的なファシリテーションなのかもしれません。

意見をまとめる

ファシリテーターは参加者に対して意見を求めますが、それらはバラバラな意見であることがほとんどです。

なので、出された意見をファシリテーターがまとめる必要があります。

その時のポイントは下の3つに集約されていきます。

  1. 意見の集約
  2. 意見の関連付け
  3. 意見のレベル合わせ

『意見の集約』とは、似たような意見をまとめてしまうことです。

社員旅行の行き先について聞いた場合、「ハワイ」と「グアム」が出てきた場合、それを「海外の南国リゾート」とまとめてしまうのです。

これがつまり大カテゴリーということになります。

このような大カテゴリーができたら、今度はそれを関連付けしていきます。

例えば社員旅行の行き先で「温泉地」という大カテゴリーがあった場合、それは果たして「海外の南国リゾート」と対立する意見なのか、それとも関係性が深いのかなど、大カテゴリー同士の関連性を検証するのです。

その過程で「草津温泉」という意見があった場合、それは「温泉地」よりもレイヤー(階層)が下なので、温泉地の下に草津温泉が内在されるようにまとめていきます。

縦方向に深掘りする

先ほど「まずは参加者全員の意見を引き出して『横の広がり』を意識しなければいけません。」とお伝えしました。

それが一通り終わった段階で、次にやるべきことは『縦方向に深掘り』することです。

例えば「南国リゾート」が最有力候補になった場合、その中で沖縄を検討することになったとします。

しかし沖縄には「沖縄本島」「宮古島」「石垣島」など、いくつかの島があり、どこへ行くのかによって内容が変わってきます。

このように深堀りをしていくのですが、ここで注意すべきことは議論を逆戻りさせないことです。

議論が逆戻りし出すとキリがないので、会議の収拾がつかなくなってしまいます。

そして最終的に全員が納得する着地点を探し出し、そこで合意形成するのです。

全員が納得するような完全合意であれば理想的ですが、一部の人が妥協する着地になるかもしれません。

しかしそれでも、目指している方向性が一緒なのであれば、さほど大きな問題にはならないはずです。

重要なのは参加者全員の目指すゴールが同じ方向であることです。

個々人の利害というよりは、会社全体の利益を追求する心構えが重要なのだと思います。

ファシリテーションスキルを磨こう!

ファシリテーションスキルは、ビジネスリーダーを目指す上で必要不可欠な能力だと思います。

アップル創業者のスティーブ・ジョブズは、ビジネスリーダーのことを「Gravitational Force(重力のような力)」と表現しました。

従業員が多くなって、多様性が高まっていくと、それをまとめる『重力のような存在』が必要になるのです。

まさにそれがファシリテーターなのだと思います。

そのようなポジションになるためには、ファシリテーションスキルを磨く必要があります。

その代表例がヒアリング能力だと思います。

つまり相手の話を聴くということです。

きちんと相手のことを見ながら「何が言いたいのか?」を理解して、その内容を要約するのです。

それを何度も繰り返しながら、最終的には会議全体を要約していくのです。

質問スキルを磨く

質問スキルが高い人ほど、優秀なファシリテーターだと言えます。

なぜかといえば、質問は会議の流れを変えたり、参加者の意欲を引き出したり、発言を促すことができるからです。

そのアプローチ方法には大きく2種類のやり方があります。

  1. オープンクエスチョン(拡大質問)
  2. クローズドクエスチョン(限定質問)

この2つについて話すと長くなってしまうので、詳しく知りたい人は下の記事をご覧ください。

ファシリテーターは脇役である

ここまでファシリテーションについて解説してきましたが、あくまでもファシリテーターは脇役で、主役は会議の参加者です。

その主役を引き出すためには、上手な話し方や誘導が必要となります。

なので、日頃から大勢の前で話す機会をたくさん持つことも必要でしょう。

それが練習となって、ファシリテーションスキルの向上につながっていくはずです。

もしかしたらプロジェクトメンバーの中でも摩擦が起きるかも知れませんが、それを恐れてはいけません。

ファシリテーターの積極性次第で会議の良し悪しが決まってきます。

この記事を参考にして、ぜひ自分のファシリテーション能力を向上させてください。




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