目次
八大人覚(はちだいにんがく)を理解しよう!
八大人覚
八大人覚は道元最後の言葉であり、「最も大切にすべき考え方」として、死ぬ間際に弟子たちへ伝えた名言です。
その内容は以下の8つを指しています。
- 小欲(しょうよく)
- 知足(ちそく)
- 楽寂静(ぎょうじゃくじょう)
- 勤精進(ごんしょうじん)
- 不忘念(ふもうねん)
- 修禅定(しゅうぜんじょう)
- 修智恵(しゅうちえ)
- 不戯論(ふけろん)
最後に、これらを一つずつ解説したいと思います。
①小欲(しょうよく)
これは見てわかる通り、欲を持ちすぎないことを諭したものです。
人間の欲望は苦しみや悩みの種になり得るので、十分注意しましょう。
➁知足(ちそく)
知足も欲望についての言葉なのですが、どちらかといえば今まで知り得た知識や経験の中で、不満を持たず生きることを推奨した言葉です。
今現在の自分に満足するべきだと、道元は言ったのです。
➂楽寂静(ぎょうじゃくじょう)
人間関係は複雑なので、ある意味では沼のような側面があります。
一度踏み入れると足をとられてしまい、自分の人生を歩めなくなります。
それだけだと生きるのが辛くなるので、一人静かな心構えで考える時間も必要だと思います。
④勤精進(ごんしょうじん)
勤精進とは、「いつまでも精進するように努めなさい」という意味の言葉です。
一歩ずつでも良いので、確実に前進することを推奨したのです。
➄不忘念(ふもうねん)
これは正念を持って生きることを推奨した言葉です。
正念とは、人間が宇宙の生命体の一部だということを自覚することです。
この考え方を持っていれば、ありのままの自分でいられるので、人目が気になることもないのです。
⑥修禅定(しゅうぜんじょう)
修禅定とは、一歩引いた俯瞰的な視点で物事を見るべきという考え方です。
偏った見方では善悪の判断がつきづらいので、十分注意しましょう。
➆修智恵(しゅうちえ)
この言葉は、前向きでポジティブな話だけ聞くことを推奨した名言です。
ネガティブな発言は、自分自身もネガティブにしてしまいます。
常に前向き思考で生きるようにしましょう。
⑧不戯論(ふけろん)
これは簡単に言えば「喧嘩をするな」という意味の言葉です。
相手に暴言を吐いたり、無益な争いこそ諸悪の根源だと道元は語ったのです。
たとえ口論になったとしても、決して相手を傷つける言葉は使わないようにしましょう。
まとめ
ここまで道元の名言集を解説してきました。
一通り読んだ人は、道元の考え方が理解できたはずです。
「宇宙の生命」というキーワードが出てくるので、一見するとカルト的な色合いに感じてしまいますが、それは色眼鏡に過ぎません。
豊かな人生を過ごすために、道元の考え方をぜひ取り入れてみてください。