サービスで感動させるディズニーの仕掛け

ディズニービジネスを考察する場合、サービス内容に目を向ける必要があると思います。

ディズニーリゾートはサービス業ですが、そもそもサービスとは一体何なのでしょうか?

それは「付加価値」を意味しています。

例えばディズニーランドの中にはアトラクションやレストランがありますが、それだけを目的に来園している人は少ないですよね。

そこで提供されるサービスも含めて目的となっているため、そもそもディズニーではビジネスモデルにおける付加価値が高いと言えるのです。

例えば、大人気アトラクションであるビッグサンダー・マウンテンは、アメリカのゴールドラッシュをテーマにしたアトラクションです。

ビッグサンダー・マウンテンに行ったことがある人はピンと来るかもしれませんが、実はあそこに飾られている小道具は全てアメリカから直輸入した本物なのです。

そのような小道具を気にするお客様は少ないかもしれませんが、細かい部分への本物志向が、ディズニーの付加価値へとつながっているのです。

サービス業においての付加価値とは「サービスそのもの」ですよね。

つまり目に見えないモノですが、そこで手を抜かないのがディズニーのポリシーなのです。

非日常を演出する

ディズニーでは非日常を作り出すため、沢山の努力が行われています。

それを実現しているのは働いている従業員ですが、その従業員のことをディズニーでは「キャスト」と呼んで、お客様のことを「ゲスト」と呼んでいます。

そもそもディズニーは映像制作会社として始まっていますが、その世界観を現実世界に表現しようと試みたのがディズニーランドです。

そう考えた場合、テーマパークすべてが舞台(ステージ)になるので、そこで働く人は全て映画の出演者(キャスト)という考え方になるのです。

そして、そのステージを見に来ているお客様が「ゲスト」ということになるのです。

ゲストが楽しめるように、キャストは接客しますが、そのためには舞台を整える必要もあります。

例えばディズニーランドでは、テーマパーク内から外の景色が一切見れないようになっています。

また、食べ物や飲み物の搬入作業を見ることもありません。

このような日常風景を一切感じないステージを用意し、テーマ性を損なわない小道具や工夫をたくさん凝らし、ゲストが「夢の国にいる」と錯覚するような演出を施しているのです。

お客様を飽きさせない

ディズニーのアトラクションは待ち時間は長いですよね。

その待ち時間にストレスを感じる人は多いかもしれませんが、実は待つこと自体をアトラクションの一部として設計しているのです。

具体的にディズニーのアトラクションは下の三つに分けられています。

  • プレショー(気持ちを盛り上げる効果)
  • メインショー(アトラクション本体)
  • ポストショー(余韻を楽しむ効果)

これらが一つになったものが「アトラクション」なので、待つこと(プレショー)もアトラクションの一部とされているのです。

例えばビッグサンダーマウンテンでは、アトラクションの搭乗口までかなり距離がありますが、歩いている途中にシャベルやツルハシなどの小道具が置いてあったり、金鉱山のような作りになっているので、事前情報がない人でも「ゴールドラッシュがテーマなのかな…」と感じることができます。

そして、アトラクションのキューライン(待つ列)にも工夫があります。

ディズニーランドのキューラインは横幅1mに設計されていて、大人二人が並ぶとギリギリの幅になっています。

この幅にしておけば、アトラクションの処理(搭乗数)と連動するので、少しずつですが、徐々に徐々に前に進むことができるのです。

確かにディズニーランドで並んでいると、立って待っている時間は少なくて、少しずつですが前進してきますよね。

人間はずっと同じところで待っている事を我慢できない生き物です。

なのでキューラインを工夫することで、少しでも「待つ」という感覚を和らげて、ステージ上の物語を徐々に進行させているのです。

レストランサービスの裏側

ディズニーランドの中には、たくさんのファストフードがありますよね。

しかしそこのメニューが「意外と少ないな…」と感じた経験がある人は多いと思います。

実はココにも「SCSE」の考え方があるのです。

ディズニーのポリシーは「E=お客様に対して効率よく迅速に対処できているか?」という考え方なので、お客様にはできるだけ迅速に料理を提供し、たくさんのアトラクションに乗って欲しい、という結論になるはずです。

この理念を実現するため、あえてメニュー数を削減しているのです。

例えばメニューの数が多いと、

  1. 注文するお客様がどれにしようか迷う
  2. 調理マニュアルが複雑なので時間がかかる
  3. 提供する料理が遅くなる

という悪循環にはまっていきます。

しかしメニューの数が少ないと、

  1. お客様の注文がすぐ決まる
  2. 調理マニュアルがシンプルなので作業動線もラク
  3. 提供するスピードが早くなる

という好循環を実現できます。

バフェテリアの運営ノウハウ

ディズニーランドの中にはレストラン形式のバフェテリアがあります。

バフェテリアサービスとは、お客様がトレーを持ち、カウンターに並んだ料理から各自の好みの料理や飲み物を自由に選んで、テーブルに着く前に会計する形態のことを言います。

この順番がディズニーでは「サラダ⇒デザート⇒スープ⇒メイン料理⇒ドリンク」という順番になっています。

なぜこのような順番になっているのかと言うと、少しでも顧客単価を上げるために工夫されているのです。

具体的に言うと、レストランに来る人はお腹が空いているはずなので、必ずメイン料理を頼みますよね。

なので「メイン料理⇒スープ⇒サラダ⇒デザート⇒ドリンク」という普通の順番で提供してしまうと、メイン料理だけ手に取って、その他の食事は手に取られない可能性が高くなってしまうのです。

しかしまだトレーに何も載ってない状態で、彩の美しいサラダが目に入ってくれば、なんとなく健康を気遣って手に取る人が多くなるのです。

そして普段食べないデザートまで「久しぶりのレジャーだし…」という感覚で手にとって、気が付くとメイン料理以外にもたくさんの料理がトレーに並んでいる、という結果になるのです。

このノウハウは色々な飲食ビジネスに応用することもできます。

例えば、はなまるうどんのようなバフェテリア形式の場合、先に天ぷらが置いてあって、その後にメイン料理であるうどんを注文しますよね。

この順番が逆になっただけで、天ぷらが注文される確率は激減するはずです。

飲食ビジネスに携わっている人は、ディズニーの運営ノウハウを理解しておきましょう。




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