営業戦略に応じてポジショニングを考える
現代の経営が直面しているのは国内産業の成熟化やグローバル化などこれまで経験したことが無いような熾烈な競争です。
このような状況では、まず自社のポジションを確認し、適切なポジショニングを取ることが重要です。
ポジショニングは競合他社との相対的な関係性のことで、つまりは「お互いのポジション(地位)」ということになります。
このポジションには4種類があり、
- リーダー
- チャレンジャー
- フォロワー
- ニッチャー
と呼ばれています。
ここではその四つのポジションについて解説していきたいと思います。
①リーダーとは?
リーダーとは業界のリード企業を意味します。
このリーダーが取るべき戦略は、
- 周辺需要の拡大
- 非価格競争
- 同質化競争
となります。
周辺需要の拡大戦略とはリーダーが常に市場をウォッチし、製品のブラッシュアップを掛けることでチャレンジャーなどの競合他社の商圏を押さえていく戦略です。
非価格競争とは名前の通り、価格で勝負しないことを意味しています。
これはブランド価値を確立したリーダーだからこそできる戦略だと言えます。
同質化競争はチャレンジャーに対する対抗策です。
チャレンジャーと全く同じ製品を全く同じ値段で提供する、完全同質化や改善同質化があります。
これらは「ミート戦略」とも呼ばれており、追随するライバルを潰すやり方としては正攻法だと言えます。
➁チャレンジャーとは?
チャレンジャーの戦略はリーダーとの差別化戦略です。
リーダーと直接交えるのが得策と言えない状況では、いかに差別化するかが重要になります。
この戦略の狙いは「リーダーの資産を負債化すること」と「リーダーの強みを弱みに変えること」です。
つまりこれまでリーダーが蓄積してきたブランドを潰してしまうことと、リーダーの強み(例えば「水は安い」という概念)などに対して付加価値のある製品を投入し「水は高いものを買うべき」というような商習慣に変えてしまうのです。
リーダーが資本力で築いてきた牙城を根底からひっくり返す戦略なので、一発逆転できる可能性があると思います。
➂フォロワーとは?
フォロワーとは、市場においての3位以下全てを指します。
フォロワーの戦略とは、リーダーやチャレンジャーの製品サービスを模倣するやり方です。
すでにマーケットが出来上がっている場合、それを模倣するだけでもある程度のビジネスは立ち上がります。
しかし、そのような戦略では大きな利益を期待できない為、独自の技術でサービスを再構築し、リーダーかチャレンジャーになれるように努力する方が賢明でしょう。
④ニッチャーとは?
ニッチャーとはある意味で特殊な存在で、差別化集中戦略を体現しているようなプレイヤーです。
大手企業にとって興味がない、あるいは大手企業が気づかない「小さな市場」でトップの地位を築くのがニッチャーです。
リーダーが全市場を対象として事業展開するのに対して、ニッチャーは特定の市場しかターゲットにしません。
つまりニッチ・トップを目指すのがニッチャーなのです。
実はそれ以外の部分は”リーダーと全く同じ戦略をとる”のがニッチャーの特徴です。
それゆえ、プレイヤーの中でダークホース的な存在だと言えるでしょう。
まとめ
競争戦略論にはたくさんの種類が存在しますが、今回はポーターの競争戦略にフォーカスしてみました。
ポーターの競争戦略はベストセラーにもなるほど有名で、マーケティング担当者にとってのバイブルになっています。
身近な本屋にも置いてあるので、書店やインターネットでぜひ探してみてください。
きっと、これから立ち上げる事業に役立つノウハウが記載されていると思います。