コア・コンピタンスを探せ!
そもそも企業とは、社会から必要とされているから成り立っています。
つまり社会から求められていない企業には売り上げが入ってこないので、自然淘汰されていくのです。
これを裏返すと、企業には顧客から求められるような内在能力があるということです。
このような企業にとっての核となる能力を「コア・コンピタンス」と呼びます。
コアコンピタンスは市場において競争優位を確立するための中核的能力であり、一般的に「顧客に対して価値を提供する企業内部の一連のスキルや技術の中で、他社が真似することのできない企業内部に秘められた固有のスキルや技術の集合体」と定義されています。
ちょっと難しいですよね。
これを簡単に説明すると、以下のようにまとめることができます。
- 独自の生産技術やノウハウ
- 販売・経営管理のノウハウ
- 人材のスキル
これらが組織の中で一体となった能力がコア・コンピタンスなのです。
「自分の会社がどのようなコア・コンピタンスを有しているか?」が理解できていないと、競争戦略は成立しません。
つまり戦略自体が決まらないのです。
競争戦略とは、自社のコアコンピタンスを競争の源泉とし、「どうやって競合他社に勝ち抜くのか?」を考えることです。
例えば以下のような質問に回答できるでしょうか?
- 競合他社に対して、自社のコア・コンピタンスで差別化できるか?
- 競合他社に対して、自社のコア・コンピタンスで優位に立てるか?
- 顧客に対して、自社のコア・コンピタンスで利便性を提供できるか?
- 顧客は自社のコア・コンピタンスによって満足度が高まるか?
これらの質問に「Yes」と回答できるのであれば、その次のステップである市場分析に進むことができます。
なので、まずは「自社のコア・コンピテンスは何なのか?」を探しましょう。
「顧客数×顧客単価」をアップさせる
競争優位性が高い企業とは、大きな利益を上げている会社です。
企業は利益なしに存続することができませんが、その利益幅には大小があります。
MBAを取得しているような頭脳明晰な経営者であれば戦略的企業経営をやっていますが、ほとんどの企業経営者は感覚値で経営しているのが実態です。
つまり、事業戦略をきちんと構築してから、事業展開しているケースは非常に稀なのです。
そのような企業経営者は「原価を下げる」ことばかりに注力して、マーケティングに目を向けようとしません。
なので外部要因である「顧客数×顧客単価」をアップさせるという発想まで至らないのです。
ポーターの競争戦略とはまさに外部要因である「顧客数×顧客単価」をアップさせるための考え方です。
いかにして顧客数を増やし、客単価を上げるかという方策を考え、その戦略を事業の中に取り入れ、市場において競争優位を獲得するのです。
これを平たく言ってしまうと、「ビジネスモデルの構築」や「ビジネスモデルの再構築」とも言えるはずです。
高い収益を上げる企業になるためには仕組みが必要です。
「顧客数×顧客単価」をアップさせることは、この仕組づくりの一環だと理解しておきましょう。